- 葉玉 義則
- ニューボイスジャパン株式会社 代表者
- キャリアカウンセラー
対象:キャリアプラン
- 宇江野 加子
- (キャリアカウンセラー)
- 冨永 のむ子
- (パーソナルコーチ)
(写真右)多岐川恵理さん 〔© K.福田〕
第4回のゲストは、英語のプロ、作家として、ライターや翻訳の世界で
ご活躍中の多岐川恵理さんをお迎えします。
オールアバウトへの相談の中でも、英語を生かしたキャリアに
関するものは多く、そういった方々にとって、今回の多岐川さんの
生き方、考え方は、大いに参考になるのではないかと思います。
ウェブサイト: Takigawa Online
http://www.transmedia-solutions.co.jp/
ブログ: 今日のコトバ by 多岐川恵理
http://blog.livedoor.jp/transmedia/
今、英語実用書ランキングのNO.1を独走中!
「英会話フレーズブック リアルな日常表現2900」
新著「英語力の鍛え方」(ソーテック社)
多岐川さんは、小さいころ英語が流れる玩具で夢中になって遊んだことで、
英語の「音」にとてもひかれたそうですが。
小さい頃の体験や経験って、大人としての歩みに、大きく影響するんですね。
上智短大英語科を卒業後、「日本人の多い名門校で埋もれるより、小規模な
無名校でトップをとろう!」と、米国の Plymouth State College(現University)
に編入学し、マーケティングを専攻。
Magna Cum Laude(成績優秀生)として卒業し、貿易会社やライセンス商社の
海外営業部門に勤務。
現在はライター、実務翻訳家として、幅広くご活躍中です。
今回は、そんな多岐川さんに、英語力を活かせる業界、企業へのアプローチの仕方、
“キャリアアップ”の方法や、英語との付き合い方などを伺いたいと思います。
> 葉玉
こんにちは。今回は、お忙しい中、ありがとうございます。
まずは、ご自身のこれまでのキャリアや現在のお仕事について、お聞かせください。
> 多岐川さん
初めて勤めた貿易会社では、海外の業者への発注や交渉を担当して
いました。ジャパンタイムズの求人広告を頼りに、経験者を募集して
いたところを無視して応募し、採用されました。
入社後に社長室で昔の自分の履歴書を発見すると、社長の字で
「明るい、とにかく明るい」と(笑)。
それだけで受かったようです。
興味がある職種なら、ダメもとで応募してみるといいと思います。
縁があれば受かります!
もともと、書くことは好きでした。
大台を前に多くの女性が揺れ動き始める28歳のとき、会社
勤めをしながらライタースクールへ一年通い、卒業と同時に転身。
学校なんてと“たたき上げ”の人は言いますが、コネなしで異業種に
飛び込むには、いい方法です。
初めての本「関係代名詞を使った英会話」(明日香出版)が出たのは、
出版社の廊下ですれ違った社長に、企画書を見せたいと声をかけたのが、
きっかけ。
実は、その時点では、企画なんて無かったのですが…。
やりたいことがあるなら、後にひけない状況を作ってしまうのが手です。
今は、語学書以外にもジャンルや媒体を問わず執筆し、契約書など
の翻訳もしています。
的確に言葉を置き換えていく翻訳は、自分自身で言葉を紡ぐ
ライティングにとって、いい刺激になっています。
最近は、企業内での英会話講座、英語を楽しんで学ぶための講演、
ラジオ出演など、喋る仕事がどんどん増えつつあります。
書くことも、話すことも、伝える努力、という点では同じ。
努力で面白い人間にはなれなくても、面白いものは努力で作れる、
と思って頑張ってます。
> 葉玉
オールアバウトでは、社会人になってからの海外留学(語学
留学)に関する質問も多く寄せられるんですが、
読者の方へのアドバイスをいただけますか。
> 多岐川さん
行けるなら、絶対に行くべきです。
すべてが完璧に揃う時期を待っていても駄目。どこかで思い切らないと。
「行けば喋れるようになる」は幻想なので、現地でも努力が必要ですが、
海外での経験は、語学に限らず大きな学びとなります。
現地で本場の英語を学ぼうと思ったのに、クラスメイトは訛りの強い
外国人ばかり…というのが、語学留学によくある現実。
大学が運営する語学学校を選ぶことで回避しましょう。
学部生の授業が聴講できたり、現地学生と交流する機会が多くあります。
“熱意”か“根気”。どちらかあれば、国内でも伸びるので、
行けない人も悲観しないでくださいね。できる場所で頑張ればいいのです。
現役通訳者にも海外在住経験のない人は多くいます。
> 葉玉
英語力を身につけたいけれど、なかなか先に進めない、、、
という方へ、何かアドバイスをいただけますか。
> 多岐川さん
英語なんて、できなくても生きていけます(笑)。
あくまでも自分が人生を大きく楽しむために学ぶものであると、
正しく把握するのが第一歩。
嫌々やるのはナンセンス。
学ぶこと自体を楽しまなくては続かない。
子どもとは違う、理解力、応用力、分析力、自由になるお金を持つ
大人ならではの学び方があります。
英語に親しみ、語彙を増やすには、英訳された人気コミックスやアニメ、
ドラマ、官能小説など、なんでも好きなものを利用しましょう。
雑多なデータから法則を見出す力に長けた子どもと違って、大人が
英語を理解する近道は文法です。
基礎だけでも、毛嫌いせずにおさえておくと、あとがとても楽です。
大人が英語を楽しく学ぶには?
出版されたばかりの「英語力の磨き方」(ソーテック社)は、その問いに
対する私の精一杯の答えです。手にとっていただければ嬉しいです。
> 葉玉
多岐川さんの目標や夢について、お聞かせください。
> 多岐川さん
従来の大人世代だけでなく、子ども達に楽しい学びの機会を提供する仕事も
していきたいです。
児童英語教師の資格取得など、その分野の研究を現在深めています。
学生向け、母親向けの講演やセミナーの依頼も増えてきました。
かつて仕事は自己表現の手段でしたが、近頃は自分を取り巻く世界への貢献度を
真っ先に考えるようになっています。
私の本や言葉がきっかけで、英語との幸せな出会い、再会を果たす人が、
一人でも増えることが喜びです。
> 葉玉
本日は、お忙しい中、ありがとうございました。
最後に、転職やキャリア形成に悩むオールアバウト読者の方へ、
多岐川さんからの応援メッセージをお願いします。
> 多岐川さん
日常生活で楽しみ、興味を引かれることや、周りの人たちの何気ない言葉
の中に、あなたに向く仕事のヒントが必ずあります。
「自分の仕事には意味がある」という信念が持てれば、つらい壁も乗り越え
られるもの。頑張っていきましょう。
【了】m(_ _)m 最後まで、ご高覧いただき、ありがとうございました。