司法試験で選択科目に追加すべきと思われる科目 - 民事家事・生活トラブル全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
弁護士

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田中 圭吾
田中 圭吾
(行政書士)
村田 英幸
(弁護士)

閲覧数順 2017年11月18日更新

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司法試験で選択科目に追加すべきと思われる科目

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相続

司法試験で選択科目に追加すべきと思われる科目

平成18年に新司法試験が施行されてから、数年して、受験生の負担を考慮して、選択科目を廃止すべしとの意見もあるが、多数意見として、選択科目は存続すべきとされている。

ここで筆者が言いたいのは、さらなる多様な法律分野の専門家の育成を目指して、以下の科目を選択科目として、追加することを提言したい。

私が司法試験に合格した頃の約30年前には、法社会学者が弁護士の将来像を予測したのは、それぞれ個々の専門分野を持つ弁護士が数人以上共同して法律事務所を作るのが、各自の専門分野を生かせて効率的であるというものであった。

この未来像は形や規模は違うが、大規模法律事務所で実現されている。比較的狭い範囲の専門分野に特化する弁護士が多数所属して、全ての法律問題に対応している。これは「デパート型」と言われる。

また、「ブティック型」と呼ばれる、特定の法律問題に特化する法律事務所も存在する。比較的少人数の所属弁護士で、特定の法律問題で高名な弁護士が取る手法である。

なお、比較的マイナーな科目で、論文式になじまない科目は、択一式で問う方式もある。司法試験もひところは、民法の親族・相続法は、択一式でしか出題されなかった。

また、アメリカの司法試験は州によって資格が付与され、連邦法に関して共通問題は含まれるが、州法が異なる場合には試験問題も違う。日本の弁護士などがアメリカの司法試験を受験して驚いたのは、信託法など、当時の日本ではマイナーであった科目が択一式で出題され、範囲が極めて広いことであったという。当時のアメリカの弁護士は既に専門分野に特化していたが、逆にいうと、アメリカではロー・スクールを卒業して司法試験に合格すると司法研修所や実務修習制度がほとんど存在しないので、弁護士としてのミニマム・スタンダードを学ぶ機会として、最後の確認の意味で司法試験で出題されたのであろう。

以下で選択科目として考えられる科目のうちでも、思考力を問う論文式では不適当とされる技術的な規定の多い科目、あるいは単に基礎的知識を身に着けて欲しい科目などは、択一式で問うことも考えられてよい。

現在の司法試験の選択科目とされている知的財産法、租税法、独占禁止法、環境法などは、かっては、民事特別法ないし行政法各論とされていた科目である。

下記に掲げた法律分野も、現在では、特殊な法律ではなく、必要とされている法律である。

特別刑法以外の科目の内容については、本コラムで既に触れているし、これからも触れる予定である。

[選択科目として追加すべきと思われる法律]

社会保障法

金融法(金融商品取引法・金融商品の販売等に関する法律・信託法などを含む)

不動産法(借地借家法、区分所有法、不動産に関する行政法規などを含む)

消費者法(消費者保護を目的とする各種の事業法の規定を含む)

特別刑法(少年法・犯罪被害者保護法などを含む)。(注)現在の選択科目には公法・民事系の科目しかないので、刑事系の科目として、バランスを取る意味もある。