歯の治療で金属アレルギーになるの?(その2) - 一般歯科・歯の治療全般 - 専門家プロファイル

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赤岩 経大
(歯科医師)
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閲覧数順 2024年04月25日更新

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歯の治療で金属アレルギーになるの?(その2)

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歯科の金属アレルギー 歯科材料

あなたは今までに歯医者さんでこんな体験がおありになりませんか?

虫歯ができました。
虫歯ができたので歯医者さんに行きました。
削って詰めて治療をしてもらいました。


保険証を持っているので、保険の範囲内で診療費を支払い、通院を終了しました。
お口の中を鏡で見てみると、虫歯の部分に銀の詰め物が大きく入っています。

 保険診療で虫歯の治療に使用する歯の詰め物には、歯科用水銀アマルガム」という水銀を50%含む金属がこの日本では使われております。


保険診療が適応されるので、現在でも多くの歯科医院で普通に使用されています。

 また、患者さんも保険が認めている治療ということは、厚生労働省が認可している材料なのでまさか危険なものは、ないだろう、そう思われている方がほとんど、です。

この歯科用水銀アマルガムが日本で最も売れている、という現実がある、ということは、日本では最も使われている歯科材料、と言えるでしょう。

アマルガムが恐ろしいのは、アマルガムは口の中で溶け出しどんどん水銀が広がっていくことです。

金銀パラジウム合金も同じです。

口の中には
唾液がありますが、その唾液が電解液として作用し、金属を溶かしていきます。

他にも、果実、野菜、コーヒー、お茶なども化学反応を引き起こす原因になります。

上下の歯が噛み合ったときの摩擦によって金属のイオンが唾液に中に広がり、さらに危険性は高まります。

そして時間とともにさらに水銀を含む金属が溶け始め、内臓に吸収されさらには血流に乗って全身を巡り、取り込まれた金属イオンは体内のタンパク質と結合します。

このタンパク質と結合した物質を異常なものと認識した生体がアレルギー性をもつようになり、再び同じ金属が体内に入ってタンパク質と結合すると皮膚や粘膜を破壊することが「金属アレルギーのメカニズム」といわれています。


口の中の「ただれ」「炎症」、「全身倦怠感」「肩こり」「めまい」「頭痛」「イライラ」などもこれら金属アレルギーが原因ではないか?と最近では研究が行なわれています。

お越しになられる患者様のなかにも何人か金属アレルギーの疑いが考えられ、皮膚科に紹介をさせていただきました。
 「金属アレルギーかな」とご自分で言われる方もいらっしゃいますし、ご自分では、そう思ってなくて、こちらから「金属アレルギーの可能性があります」とお話させて頂く事もあります。

 ご自分で言われる方の症状をお聞きしてみるとアクセサリーをつけると皮膚が赤くなるとか痒くなるという症状が多いようです。



 口の中の金属が原因と思っている方は、ほとんどいらっしゃいません。

 先日も、ある患者さんが「ブレスレットをつけてかぶれたことがあると」と言われたので皮膚科での検査をお進めしました。

検査結果には、こう記されてありました。 

 
この患者さんの場合は
① 塩化パラジウム
②  塩化コバルト
③  硫酸ニッケル

 
以上3つにアレルギーをおこすとの結果がでました。

いずれも歯科治療で歯に被せたり、詰めたりする時に使われた金属です。

 
この患者さんは数年前に歯の詰めモノに金属を入れていました。

 口の中の金属アレルギーは、金属を使用してから数十年たって突然発症することも多く、すぐにアレルギー症状が現れるとは限りません。

 また金属が直接あたる部分がかぶれるだけでなく、手や足、全身にまで影響がでることがあります。

 

金属アレルギーの治療の第一歩は、原因の金属を突き止めることです


そして口の中に原因の金属があれば早期に取り除くことです
 そうしないかぎり金属アレルギーの症状は治りません。

 
取り除いた後はアレルギーを引き起こす可能性がない素材に置き換えなければいけません。

 
しかし、やりかえたとしても、決して元に戻ることはございません。
思い出し下さい。

先ほども申し上げました.
「一度体内に取り込まれた金属は、体内から出すことができない」 ということです。

 
金属を入れてしまってからでは、もう遅い、のです。

 
ここにも「知らなかった」から「こんなことになってしまった」という現実が、あるのです。

 最近、患者さまからよく質問されることがあります。
「金属アレルギーで問題になっているアマルガム治療が自分の口の中にされており心配」という内容です。


あまりにも多いご質問なので、一度ここで私の考えについてお話させて頂きます。近年マスコミでもアマルガム治療について、小さな水ぶくれが手のひらや足の裏にでき、皮膚が荒れてしまうだけでなく、放っておくと、胸や首、腰などの骨や関節が激しい炎症を起こし、激痛をもたらすこともある恐ろしい病と大々的に取り上げられてご心配かと思います。


金属アレルギー検査をされてみて、もしアマルガムが溶け出しているようであれば治療をされることをおすすめします。


日本ではアマルガム治療は、保険診療で認められており、現在も一般的な治療として使われています。


アマルガム
は、銀、スズ、銅、少量の亜鉛、そして残りの40~50%が水銀で構成されています。

この治療には賛否両論あります。


アメリカ歯科医師会(ADA)は、アマルガムに含まれる水銀は「安全」である、としています。

それに対し、スウェーデンやドイツでは使用が禁止されており、イギリスでも妊婦さんへの使用には警告を発しています。

私自身、学生時代にはアマルガムから生じる水銀よりも、食物や空気から生じる水銀の量の方が多いことを教わりました。


しかし、これは実験室のお話であって、このアマルガムの予後は歯科医師のいわゆる術者の腕によって、また口腔内の環境によって大きく左右されます。

 
実際は3年以内でほとんどのアマルガムは劣化を示しており、約10年後には70%が溶けて消失するという結果を出している研究者もいます。

 
このような理由から私は、虫歯治療に際し、「アマルガム治療」を行っておりません。

 
確かに症状の出ない患者さんの方が数は多いかもしれません。
しかし、金属アレルギーは「なってから対策を考える」ことは、できないのです。

「なる前に防ぐ」
ほうが、望ましいのです。
また「なってしまってからではもう遅い」のです。


それは先ほども申しましたとおり
「一度体内に取り込まれて金属は、体内から出すことができない」から、です。

 どうぞこれから歯科治療をお受けになられる方は、治療を行う前に、虫歯を削る前に、口の中に金属を入れる前に、この質問を歯科医師に投げかけて下さい。
 「この歯科材料は金属アレルギーを引き起こす可能性がありますか?」と。
そうすると歯科医師はこんな選択をあなたに提案してくれると思います。

「保険の範囲内で治療を行う場合は、金属アレルギーを引き起こす可能性がある場合があります。保険外診療であれば、セラミックや、◯◯など、金属アレルギーを引き起こさない材料を使えます。どちらを選ばれますか?」と。

歯科材料に対して深い認識のある歯科医師であれば、必ず選択の余地を患者さんに与えてくれるはず、です。


ただし、保険では認められていませんので、自由診療になります。
しかし、将来起こりうる金属アレルギーを引き起こす材料を使うのかどうなのか?そのことを選ぶ権利は患者さんには、あります。

残念ながらほとんどの方は
「そんなこと知らなかったし、聞かれもしなかった」とおっしゃられます。

また、私の歯科医院へお越しになられる患者さまは
「もし知っていたら、絶対にこんな治療を選択はしなかった」

本当のことを知ってほしい、と思います。
オブラートに包んだようなあいまいな答えではなく、「これは危険なんだ」「これは安全なんだ」ということをきちんとお伝えしたいと、思います。

 
金属アレルギーになる素材を口に入れない
全ての患者さんにお伝えしたい、ことなのです。

歯の治療で金属アレルギーになることは、あります。


「金属が溶け出して歯や歯茎が黒くなってきた」

http://www.youtube.com/watch?v=b_uaNwu2J7E&feature=youtu.be

 

噛み合わせ専門歯科医院 香川県高松市 吉本歯科医院

http://www.8181118.com/

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(香川県 / 歯科医師)
医療法人社団 吉翔会 吉本歯科医院 院長 歯学博士

噛み合わせ専門歯科。インプラント、矯正など質の高い治療を行う

香川県高松市にある歯科医院。四国ではかみ合わせ専門歯科医院の先駆け。インプラント治療に関しては世界3大メーカーのノーベルバイオケア社、スリーアイ社より、功績、実績をたたえトロフィーを授与。高度な医療を患者さんに提供するよう努めます。

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