- 村田 英幸
- 村田法律事務所 弁護士
- 東京都
- 弁護士
対象:民事家事・生活トラブル
- 榎本 純子
- (行政書士)
商標法3条1項3号の「産地」表示
最高裁昭和54・4・10、『商標・意匠・不正競争判例百選』4①事件、ワイキキ事件
商標法3条1項3号に掲げる商標は、特定人による独占的使用を認めるのは公益上相当ではないから商標登録を受けることができないとした趣旨である。これを商品に使用した場合、その産地、販売地(注、アメリカ合衆国ハワイ州ワイキキ)その他の特性につき誤認を生じさせるおそれのあるものである必要はない( 商標法3条1項3号)(注)。誤認を生じさせるおそれがある場合は商標法4条1項16号の問題である。
(注)実際の産地・販売地は事実だった事案である。
最高裁昭和61・1・23、『商標・意匠・不正競争判例百選』4②事件、GEOGIA事件
商標登録出願に係る商標が商標法3条1項3号にいう「商品の産地、販売地……を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」に該当するというためには、必ずしも当該指定商品(注、コーヒーなど)が当該商標の表示する土地(注、アメリカ合衆国ジョージア)において現実に生産され又は販売されていることを要せず、需要者又は取引者によって、当該指定商品が当該商標の表示する土地において生産され又は販売されているであろうと認識されることをもって足りる。
(注)この事案では、ジョージアで当該コーヒーが生産・販売されていることは認定されていない。
(参照条文)
(商標登録の要件)
商標法第3条1項 自己の業務に係る商品・役務について使用をする商標については、次に掲げる商標を除き、商標登録を受けることができる。
三 その商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、数量、形状(包装の形状を含む。)、価格・生産・使用の方法・時期又はその役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、数量、態様、価格・提供の方法・時期を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標
(商標登録を受けることができない商標)
商標法第4条1項 次に掲げる商標については、前条の規定にかかわらず、商標登録を受けることができない。
十六 商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがある商標