- 松岡 在丸
- 松岡在丸とハウジング・ワールド
- 東京都
- 建築プロデューサー
対象:住宅設計・構造
一般的に、家族の中で、家で一番長い時間を過ごすのが、主婦であると言われます。
職場からお父さんが、学校から子供たちが、家に帰るのを楽しみに帰宅するのと対照的に、家族を迎えるのを楽しみに待つのがお母さん。
家族を世話し、家族が癒され、健康を維持して行くうえで、母親が果たす役割は大きいものです。
ところが、日本の一般的な家づくりを見ていると、主婦にとって居心地の良い空間があまり実現しておらず、多くはストレスを増し加えるようなプランニングがなされていることが多いもの。
どうすれば家は女性にとって快適な空間になるのでしょうか。
家族の幸福の重要なポイントは、食事
家族そろっていただく食事は美味しいだけでなく親子関係を良く保つうえで大切です。そうであるならば、料理をするための空間である台所は、快適な間取りになっているのでしょうか。
例えば、朝食は健康維持のために一番大切とも言われる食事。朝食を整える早朝、台所は明るく爽やかで過ごしやすい、作業意欲を高める場所にありますか? それとも朝日が入らない、暗い西側に位置しているでしょうか。
夕方の料理は、西日が邪魔にならない台所でしょうか。広くて使いやすいキッチンでしょうか? 料理中にちょっと疲れたら、火を止めて一息つける、そんな位置関係になっているでしょうか。
自宅の台所を見渡して、果たしてそこで毎日料理を作る際にストレスを感じないかどうかを吟味してみてください。
世話ができない庭に圧倒されていないか
美しいガーデニングを楽しみたいと考えて家を購入しても、忙しくてなかなか手が回らない、ということはありがち。そしてお庭が荒んでいく様子をみるのは耐えがたく、近所に対しても顔が立たなくなります。定期的に男手がお庭の手入れをするのが趣味なら良いのですが、なかなかそうも行きません。
理想を追い求めた無理なガーデニングはやめた方が良いでしょう。むしろ、管理しやすい簡素な庭スペースを確保するか、ムリに庭を設けずに2階にバルコニーを設けるなどして、主婦の負担を軽くすることを検討してみるのも良いかもしれません。
家族を送り出した後、どこで過ごすのか
朝、家族のみんなが家を出たのち、主婦はどこで何をしたらよいのでしょうか。多くは午前中に掃除や洗濯などの家事を行ない、昼食後には買い物に出掛けたり趣味や習い事などをして勉強します(趣味を勉強と位置付けることも大切です)。
意外と多い意見が、昼寝をするとだらけてしまうので気を付けている、ということ。つまり、午後に時間の余裕があるならば、家に居るときでも何かしら自分のスキルアップが出来るような活動に集中できる、そんな空間があると良いかもしれません。
ということは、リビングはだらける場所ではありません。大きなソファーでゆったり昼寝してしまうというよりも、むしろ、明るくて開放的なリビングでしっかり学習できるような、そんな空間にしておくことが必要です。
ダイニングで勉強しても良いですし、リビングを開放してホームパーティーを主催してみても良いかもしれません。
女性が元気になる家というのは、家で過ごしていることによってスキルアップに繋がるプランニング。窮屈で暗くて動きにくい空間ではなく、開放的で前向きになれる家にすることによって、帰ってくる家族を元気に迎えることができる、そんな家づくりを心掛けてください。
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