3.価格にだまされてはいけません
賃料が相場でも、物件価格が安ければ利回りは上がります。
一般的には古い物件ほど安くなります。
それは、建物・設備が劣化することにより資産価値が下落するのと同時に
修繕費用など追加投資の可能性が高くなるからです。
「買ってすぐ大規模修繕の負担金を求められた。」
「エアコン・温水器・給湯器の修理費用がかかった」などはよく聞くケースです。
また、投資用物件では、古くなると入居者募集が難しくなるのもリスクです。
そのような物件は賃貸市場での競争力を考えて、
電気コンロをIHコンロに変更したり、浴室乾燥機をつけたり
といった追加投資も必要になります。
安い物件(利回りが高い物件)は、その分追加投資の可能性と
空室リスクが高いことを肝に銘じておくべきだと思います。
購入時に大規模修繕の履歴や予定を聞くだけでなく、
建物の規模や戸数から管理費や修繕積立金が適正かどうか、
専有部分の設備交換履歴のチェックなども行ったほうがよい項目です。
ネット利回りのウソ
一般的には、
年間賃料÷物件価格を「表面利回り」、
(年間収入−管理費・修繕積立金−固定資産・都市計画税など)÷物件価格
を「ネット利回り」 と言います。
不動産を保有するには、その他火災保険や(前述の通り)
設備修繕費・大規模修繕費などの一時費用が発生します。
とくに、見た目の利回りを高くするために、
適切な修繕積立金を取っていない物件は、「ババ抜き」と同じで
大規模修繕の時に所有していた人がバカをみることになります。
また、利回りを下げる要因として、テナント入替え時の空室期間や
原状回復費用などがあります。
入居者の入替えの時は、少なからず賃料が入らない空室期間が発生します。
テナントのつきにくい物件ならなおさらその期間は長くなります。
また、以前は旧テナントの敷金でまかなわれていた現状回復費用も、
今はほとんどが貸主負担です。
礼金という商習慣も今後長く続くとは思えません。
以前は、入居者が変わるごとに賃料がアップし礼金収入もあったため、
テナントの入替えは大家さんの喜ぶところでしたが
今はよい入居者に長く居てもらうほうが結果的に収益面でプラスになります。
長期で借りてくれるかどうかは入居者の都合が大きい要素ですが、
少なくとも長く借りてもらうための追加投資努力は必要だと思います。
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以上のことを考えると、単に「利回りが高い」物件を求めるのではなく、
物件選びは総合的に判断することが重要なのです。
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