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最近の演奏会から(7) 小曽根真 & ゲイリー・バートン

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 先週の6月21日(金)、松本市のザ・ハーモニーホールへジャズヴィヴラフォンとピアノのデュオコンサート「小曽根真 & ゲイリー・バートン」を聴いてきました。

 

 ピアノの小曽根真は日本を代表するジャズピアニスト。

演奏活動に加え作曲・編曲・FMのパーソナリティ・大学の先生と多方面に活躍しています。

作曲は自身で演奏する曲だけでなく映画やテレビの音楽も担当。

近年ではシンフォニーオーケストラとモーツァルトやラフマニノフの協奏曲を演奏したりとクラシックのジャンルでも弾いています(カデンツァはジャズ!だそうです)

私的には小曽根のピアノでショスタコーヴィチの協奏曲を聴いてみたい。

 

 ゲイリー・バートンは世界を代表するジャズヴィヴラフォン奏者で第一人者。

鍵盤打楽器のマレットの持ち方に「バートン・グリップ」というのがあるくらいのスーパープレイヤーです。

とにかく、ゲイリーの生演奏をこの目でこの耳で聴けるとは夢にも思いませんでした。

 ゲイリーは1967年に自身のカルテットを結成する前、ジョージ・シアリング、スタン・ゲッツといった大物ミュージシャンのグループで活動しました。

カルテットでの活動を精力的におこなう一方、それと平行してチック・コリア、パット・メセニーなど多くのミュージシャンとデュオで演奏。

レコーディングも積極的におこない、これまでにグラミー賞を6回受賞しています。

現在、小曽根とのデュオのCDがグラミー賞にノミネート中!

 

 2人の出会いはバークリー音楽大学でゲイリーが先生、小曽根が学生の時。

というわけで2人は師弟の関係で、デュオでの演奏活動は25年以上にも及びます。

 今回のプログラムでは2人で世界各地に演奏旅行に出かけた思い出や、その時に起こったハプニングを元に作曲された曲も演奏されました。

これまでの2人のデュオのCDではスタンダードな曲と小曽根が作曲した曲でリリースしていますが、近年ではゲイリーも作曲を手掛けることが増えたそうです。

この日のコンサートでもゲイリーが作曲した曲、ピアソラとセッションした時の思い出を元に作曲されたアルゼンチンタンゴ風な曲も聴くことができました。

 

 私の座席は前から4列目で中央に近い場所だったので、最高の席でした。

ヴィヴラフォンの音板にマレットが当たるアタック音や触感をストレートに体感することができ、また4本のマレットの使い方もよく見ることができました。

マレットのスピードがあまりにも速く、目が追いついていかないところが多数ありましたが…。

 ゲイリーは独学でヴィヴラフォンを演奏し始めましたがそのフォームとグリップは教科書的に美しく理想的でした。

速いパッセージを演奏する時には無駄のない動き、リラックスした腕と体の使い方で演奏していて大変勉強になりました。

これは生で見ないとわからないことです。

 また、メロディラインを非常に丁寧に演奏し、音が濁らないように弾いていました。

ヴィヴラフォンという楽器は余韻が長いのが特徴で、その余韻を音楽的にいかにしてコントロールするかが演奏の質を高める要素のひとつになります。

単に技術の問題ではなく、音楽を深く理解した上で演奏しなければならないということが演奏から伝わってきました。

4本のマレットが踊るように自由自在に動かす姿を見るとどうしてもそちらに目がいきがちですが、丁寧で繊細かつ大胆な音楽を聴けたことは本当に夢のような時間でした。

 

 ステージの上には1台のヴィヴラフォンと1台のピアノがあるのみ。

ヴィヴラフォンは音板が金色に輝くマッサー。

各メーカーで現在販売されている最上級クラスの楽器に比べ音板が小さめなのですが、これがまた良く鳴る!

 ピアノはこの日のコンサートのためにヤマハから取り寄せた楽器を持ち込んだそうです。

コンサートの中で小曽根は

「この(最上級の)クラスのピアノでなきゃゲイリーの音量に追いつけないんです。」

と話され、納得。

 ピアノの位置はヴィヴラフォンより少し後方にセッティングされ、小曽根の視線がゲイリーの手先、背中をよく見ていた姿が印象に残りました。

それはまるでジャズプレイヤーとしての人生を後ろから追いかけているかのようにも見受けられました。

 

 

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