- 石田 さおり
- アクティブ英会話講師紹介センター 代表取締役
- 神奈川県
- 英語講師
対象:英会話
今回は「学校法人や専門学校などが母体で開講している養成セミナー」の中でも最近特に人気がある海外で短期間で学ぶコースについてご紹介します。
以前より、特にオーストラリア・ニュージーランド・カナダなどではキャリア短期留学として児童英語指導法を学ぶ講座の人気がありました。
中には修了すると「TESL」「TESOL」「TEFL」「TECSOL」などと呼ばれる資格が取れるものがあり、当社でも講師の採用面接をしているとこれらの資格所持者だということを履歴書にお書きになってくる方がいらっしゃいます。
ちなみに、これらの略語の正式名称は以下の通りです。
TESOL;Teaching of English to Speakers of Other Language
TESL;Teaching English as a Second Language
TEFL;Teaching English as a Foreign Language
TECSOL;Teaching English to Child Speaking of Other Languages
ただし、正直申しあげて英語講師の面接官をしている私でも
「えーっと、TESOLですね、そうですか・・・・」と言いながらも、
「えーっと、だから何がお出来になるんだっけ?」
と不謹慎にも疑問を思ってしまうことがあります。
つまり、これらの資格の所持如何で、採用に決定的に有利になることはあまりないですし、資格所持者にレッスンデモをして頂いた際に、そのデモの上手下手に関係していると思ったことはありません、残念ながら。
それがここに来て、日本発の児童英語指導法の資格(正式には小学校英語指導者認定資格)であるJ-shineが新設され、児童英語についての資格が若干メジャーになってきました。
そこで、海外で日本人留学生を受け入れてきた各学校が、こぞってJ-shine認定団体登録を申し込むようになり、前述のTESOLなどが取れる資格を凌ぐ勢いで受講数が増えるドル箱として、このコースを設置する学校が急増、2010年1月時点の調査では、10箇所ぐらいあり、年々増加傾向にあります。
これにより、ますます児童英語指導法を海外で学ぶ人たちが増えてきたような気がします。
海外で日本の子供たちに英語を教える記述を学ぶことについての是非は後述するとして、まずは比較的 <大手> とされるオーストラリアにあるLet'sという各種学校が主催しているJ-shine取得コースについてざっとご紹介します。
期間
3週間(講師経験者1年以上)または6週間 (J-shine取得コースの場合)
費用
AU$2550 + 入$200
特徴
日本での通学コースと違い、朝9時~夕方4時ごろまで毎日びっちり授業があって 「学生気分」を味わえます。
講師は日本人とネイティブが担当し「日本語版」「英語版」を選べます。
ちなみに英語版のメリットは「英語独特のノリの良い雰囲気」 で日本語版のメリットは「完全に理解できる」ことだそうです。(笑)
オーストラリアということで、ワーキングホリデーにかけてこちらの学校に入学する方も多いようです。
海外に行ってただ遊ぶだけ、あるいはただワーホリで 日本人相手にバイトするだけよりはずっと面白い体験が出来そうです。
ただし、海外で、日本人講師が指導を担当し、生徒も全員日本人っていうのはちょっと違和感な気がしないではないですが、実際にその場にいた経験がないので、その辺りの感覚はコメントしかねます。
ほかに、以前弊社にいたスタッフが在籍していたのはKID’S ABCという日本人がオーナーの学校で、金額はベーシックコースAU$1800(4週間)に2週間の実習がオプションでつけられるそうです。(+AU$400)
人気のJ-SHINEは取れないのですが、前回のコラムでも記載したように「実践第一」を信条としている私としては、実力をつける上では資格がなくても実習がついたこのコースの方がいいような気もします。
もちろん、両校に通ったわけではないので、あくまでコースとして <資格付き+実習なし>と、<資格なし+実習あり> という比較をして、ということです。
さて、このような海外で短期で児童英語を学ぶ講座についてですが、私の感想としては「いいなー、時間が有れば楽しそうだなー。
経験者用のコースもあって興味ある~」というものです。
児童英語講師というと、なぜか基礎英語力がやや足りないという人も多いのですが、その面でも海外で語学力アップのために留学をしつつ指導法を学ぶというのは一石二鳥だと思います。
また、短期であっても週1回数時間ずつ隙間時間に通学するよりはずっと真剣に学びに打ち込めるという気もします。
そして、「日本語版」「英語版」ですが、私はぜひどうせなら英語版で学んで欲しいと思います。
英語の全く分からない子供たちにだって、出来る限り英語で話しかけるのが良しとされるのが子供英語ですからまずはご自身でもその体験を受けながら、“それでも分かりやすくするにはどうすればよいか” “ボディランゲージの大切さ、伝えようとする心”などを生で学べるチャンスです。
「ノリの良い雰囲気」はともかくとして、ぜひ英語で学んでほしいですね。
このようにメリットがたくさんのように見える「海外で学ぶ」コースですが、当然ながらそのネックは金額と時間。
特に金銭面は何とかクリアするとしても、子供英語指導法を学びたいという人たちの多くはECCジュニアや公文式のホームティーチャーなどを見ても分かるとおり「子供にやや手がかからなくなったミセス」が主流です。
最近では若い子(・・・と敢えて言いますが)の講師希望者も増えてきていますが、まだまだこれで食べていくのが大変な世界なだけに、どうしても主婦がパート感覚でやっているという実態がまだまだ多いこの世界では、「海外に数ヶ月」というのはとても高い壁になってしまうのですね。
でも、中には「ベビーシッター手配可能」「親子留学プラン」などのオプションプランがついた学校もありました。
さすが、生徒の需要を分かっていらっしゃる。
日本でくすぶってあれこれ迷っているようであれば、状況さえ許すのであれば、海外で学んでみるという道も考えてみても良いのではないでしょうか?
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