住宅における多灯分散照明方式は、考え方は分かりやすいですが、複数の照明器具を分散配置させるため、実際の照明設計はやや難しいです。
そこで『単位光束法』という簡易照明設計法を考案しました。
これは、国土交通省の自立循環型住宅開発委員会における研究成果の一つで、『自立循環型住宅への設計ガイドライン』にも採用されています。
簡単に紹介すると、まず室内全体に必要な光束を算出し、その光束を室内に設定したゾーンに分配するという方法です。
その際、明るいゾーンは光束を多く、暗いゾーンは光束を少なくして、明るさを調節します。
単位空間ごとに必要な光束を表にした単位光束表を用いることで、照度計算を行わずに、必要な照明器具の光束を算出できるところが特徴です。
あくまで簡易的な照明設計法ですが、一つの目安にはなると思います。
またこの設計法は、日本建築学会環境系論文集において、「単位光束法の提案 住宅における多灯分散照明方式に適した簡易照明設計法に関する研究」と言うタイトルで掲載されています(2013年4月 第78巻 第686号)。
それにしても、論文を書くのはやっぱり大変です・・・。