沼田 順(ファイナンシャルプランナー)- コラム「8月のソニー銀行金利と今後の見通し」 - 専門家プロファイル

沼田 順
住宅金融公庫出身のFPが貴方のマイホームライフをサポート

沼田 順

ヌマタ ジュン
( 兵庫県 / ファイナンシャルプランナー )
Office JUN 代表
Q&A回答への評価:
4.6/88件
サービス:5件
Q&A:116件
コラム:535件
写真:0件
印刷画面へ
専門家への取材依頼、執筆や講演の依頼などは、こちらからお問い合わせください。
取材の依頼
「住宅ローン、不動産アドバイス」 (※外部サイトへのリンクです)
公式ブログ

8月のソニー銀行金利と今後の見通し

- good

相談業務 店舗タイプ 2012-07-17 09:00


 銀行の中では、数少ない翌月の適用金利を今月に発表しているソニー銀行ですが、8月は固定金利が全て引き下げとなりました。


 まず変動金利ですが、これは日本銀行がゼロ金利政策を継続していることや、日本の短期金融市場が安定しているため、横ばいとなりました。変動金利の横ばいは8月の他行の金利でも同様だと思います。


 ただ、この金利設定はソニー銀行のネット広告などを見る限り、明らかに住信SBIネット銀行を意識したものと言えそうです。一方の住信SBIネット銀行も2月から変動金利の優遇幅をさらに引き下げるなど、消耗戦の模様を呈している感もあります。(最優遇金利でみるとソニー銀行が0.872%に対して、住信SBIネット銀行が0.865%になります。)


 但し、ソニー銀行は返済額を5年間一定とし、その一定の金額の範囲内で、元本、利息の定期的な見直しを行う「5年ルール」や、5年後に返済額を見直す際に、前回返済額の125%を上限とする「125%ルール」の不採用により、適用利率が急激に上昇した局面においては、返済額が大幅に増える可能性があります。


 ソニー銀行や新生銀行の変動金利を選択する際は、上記の仕組みの適用がないことをよく理解しておくことが必要です。


 一方の固定金利ですが、これは固定10年で前月比0.026%低下の1.548%、20年超の最長期間で前月比0.016%低下の2.306%となりました。


 ソニー銀行の資金調達時期は6月下旬~7月上旬と推測されますが、この間の長期固定金利の指標となる10年物国債の利回り(長期金利)は6月下旬までは0.8%台で推移していたものの、世界的な金融緩和の流れを受けて7月上旬からはさらに低下し0.7%台で推移しており、これが固定金利のさらなる引き下げにつながったものと考えられます。


 他行は7月に資金調達する訳ですが、ドイツ、アメリカ、日本と長期金利の低下が続いており、このまま同じような外部環境が続けば、長期金利は0.7%台を織り込む展開となるため、さらに長期固定金利が低下する可能性もあります。


 今後の見通しですが、外部環境の悪化が日本経済を苦しめ、金利低下を促す展開は、しばらく続くものと考えられます。


 欧州の債務問題はドイツと各国との意見が対立し解決策が見えず、アメリカ経済は雇用統計が示すように順調に回復しているとは言い難く、さらに中国経済の減速感が強まっています。


 このような環境下でドルやユーロに対して円高が進み、日経平均株価も内需系の一部を除き、低迷を続けています。


 今後も同じような外部環境が続くものと考えられるため、変動金利、固定金利とも低位安定の状態が持続するものと考えられます。


ソニー銀行、住宅ローン金利


沼田 順(CFP(R)認定者・1級FP技能士、宅地建物取引主任者、住宅ローンアドバイザー)


※このコラムの無断転載・引用はご遠慮願います


月間1400万PVを誇る、ブログメディア「BLOGOS」

そこに参加させて頂いている、私のブログも是非ご訪問下さいませ。

住宅ローン、不動産アドバイス


プロフィール評価・口コミ対応業務経歴・実績連絡先・アクセスサービスQ&Aコラム