阪神淡路大震災が浮き彫りにした問題点
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今日は1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災から、丸16年目の日です。私は当時、まだ大学生でしたが、その記憶は今でも鮮明に焼き付いています。
発生が早朝だったこともあり、被害の甚大さがわかるにつれて、まず誰もが親戚の安否を確認しようとしました。しかし電話回線が集中して電話が通じません。電車も高速道路も倒壊して利用できないなか、車で一般道を利用しようとします。しかし一般道は考えられない大渋滞で、車はまったく動きませんでした。
私も祖父母の安否が確認できなかったため、やむなく自転車で道路を縫うように確認しに行きました。幸い、祖父母は無事でしたが、途中の経路では道路は陥没し、信号は倒れ、家屋も倒壊していて、まさにこの世の終わりという壮絶な風景でした。
そしてこの阪神淡路大震災は、この地域で以前から指摘されていた様々な問題点を浮き彫りにしました。まずはインフラの整備の遅れです。当時から東西を走る国道がもう1本必要だと言われていましたが、用地買収が進まず途中で切れていました。震災ではそこがボトルネックになり、大渋滞が発生しました。最近になってこの道路はようやく全線開通しました。
次に住宅の密集問題を浮き彫りにしました。密集地域で火災が発生した場合、容易に延焼することは想像できますが、ここも再開発が進んでおらず、神戸の長田地区では大規模な延焼火災が発生して、多数の死傷者を出しました。
さらにマンションが至るところで倒壊して、補修か建て替えかで住民同士の意見がなかなか一致しませんでした。これも区分所有法で建て替え決議が厳しすぎることが問題になっていましたが、この問題を放置したことも原因と考えられます。この建て替え決議も最近になって緩和されました。
このように考えていくと、この震災は人災という側面が非常に大きいことが解ります。当時はこの地域で地震が起こる確率は非常に低いと言われていて、対応が後手後手に回ってしまいました。
二度とこのような人災を起こさないようにするためにも、行政はその地域の問題点を把握しているのであれば、速やかに行動して、問題点を無くす努力をすることが大切です。災害が起こってから行動しても、結局は手遅れになるということを理解して頂きたいと思います。
最後にこの震災で犠牲になった方々に、心からお悔やみ申し上げます。
沼田 順(CFP上級国際ライセンス)
約40の厳選されたファイナンス系ブログが参加している「BLOGOS finance」
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