エコが表す、駐車場と駐輪場の変化
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最近、マンションである異変が起きています。それは、今まで満杯だった駐車場の枠に余りが出る一方、駐輪場に入りきらないほど、自転車が増えているという事態です。どうしてこのような異変が起きたのでしょうか。
90年代までは、日本人の自動車所有に対する意識が強く、マンションの駐車場だけでは、車が入りきらない事態が続いていました。一方の自転車は、原付バイクに押されるなどして、あまり元気がありませんでした。
しかし、電動アシスト自転車が登場してから、風向きが変わり始めます。自転車のクリーンなイメージが再認識されると同時に、自動車離れが進んでいきました。
そして、現在はどのマンションでも、駐車場の占有率は平均50%程度と余りが出るほどになり、逆に電動アシスト自転車の好調さも相まって、一気に形勢が逆転してしまいました。
これはこれでいいことなのかもしれませんが、急激な変化は時として様々な問題を引き起こします。まずマンションの管理収入に重要な役割を担ってきた、駐車場使用料が入らなくなることで、管理組合は今後の管理費の収支見通しを見直さざるを得なくなります。
自動車離れが進んだ新築マンションでは、駐車場の占有率をあらかじめ低く見積もっているため、あまり影響はありませんが、高めに見積もっている管理組合では、この負担が自分達の管理費に転嫁される可能性もあります。
また、自転車が急激に増えたことで、駐輪場に入りきらない自転車が、マンションの廊下などの共用部分に置かれ、問題になっているケースもあると聞きます。
将来は電気自動車が普及して、流れが変わる可能性もありますが、カーシェアリングの普及など、自動車に対する日本人の価値観は確実に変化しているように感じます。
この問題は、マンションの住人にとっては注意深く見ていく必要がありそうです。
沼田 順(CFP上級国際ライセンス)
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