2014年9月の住宅ローン金利と今後の見通し
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まず変動金利ですが、これは据え置きとなりました。8月7~8日に日銀で開かれた、金融政策決定会合でも金融政策の現状維持を決定するなど、現在は金利を引き上げる環境にはありません。
日銀は、2%の物価上昇率を達成するまでは、基本的に「量的・質的金融緩和」を継続する考えですが、4月30日に公表した最新の政策委員の見通しの中央値では、物価上昇率を14年度は+1.3%、15年度は+1.9%、16年度は+2.1%(消費税率引き上げの影響を除く)と予測しているものの、16年度の大勢予測の幅が+1.3%~+2.3%と大きく、2%の物価上昇率の達成に対して、委員の間でも意見が割れていることが伺えます。(7月の中間評価でも大きな見通しの変化はありませんでした)
次に長期固定金利です。9月の全期間固定金利は、三井住友銀行では前月比0.04%上昇の2.15%となっています。一方で、三菱東京UFJ銀行は前月比0.05%低下の2.06%となっており、珍しく割れる結果となりました。指標となる8月の長期金利は0.5%を挟んで推移していたことから、全体的には低下基調と考えて良さそうです。
今後の見通しですが、変動金利はしばらく据え置きとして、長期固定金利も低位安定の展開となりそうです。
日本の長期金利は、ヨーロッパの追加緩和への思惑や米長期金利の低下などで、0.5%を突破し0.4%台後半まで低下しています。
0.4%台が定着すると見る市場参加者は少ないため、これ以上は一方的に長期金利が低下することはないと考えていますが、金利が上昇する大きな要因も見当たりません。
金利低下が進む要因としては、4日の欧州中央銀行(ECB)理事会で具体的な追加緩和策が打ち出されるか、上昇が進む要因としては、5日の米雇用統計などで強い数字が出て、米の利上げ前倒し観測が台頭するかどうかですが、これらは互いに相殺されて影響は中立的と見ています。
従って、今後も長期金利は0.5%を挟んだ展開となる見込みで、この場合は来月の長期固定金利はほぼ横ばいになるものと考えられます。
なお、フラット35の金利は月初の第2営業日にあたる、2日に発表の予定です。
沼田 順(1級FP技能士、宅地建物取引主任者、住宅ローンアドバイザー)
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