向井 啓和(不動産業)- コラム「銀行マンを敵に回すには?」 - 専門家プロファイル

向井 啓和
みなとアセットマネジメントの向井啓和 不動産投資のプロ

向井 啓和

ムカイ ヒロカズ
( 東京都 / 不動産業 )
みなとアセットマネジメント株式会社 
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銀行マンを敵に回すには?

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住宅ローン&投資用ローン全般 2009-01-25 12:00
不動産投資において銀行マンを敵に回すのは得策ではないと十分ご存じであるにも関わらず、お客様の行動を見ていると大丈夫かなと思う事が多々あります。そんな中で銀行マンを敵に回す、もしくは銀行マンの協力を得づらくする行動の数々をご紹介します。


1. 既存借入額など虚偽の申告をする。
2. 投資物件の絞り込みが何時まで経っても出来ない。たびたび購入物件の候補を変える。
3. 紹介なしに飛び込みで話を持ちかける。
4. 他行と最後の最後まで融資に関して天秤に掛ける。
5. 融資の稟議を通してもらってから気が変わって購入を見合わせる。


一つ一つご説明します。


「1.既存借入額など虚偽の申告をする。」は当然の事ですが軽く考えている方も過去には見受けられました。不動産投資において物件購入までには2,3か月、長ければ半年、1年と月日が経ちます。その間にした行動で融資審査に関係のある内容の報告をされない方がおられました。

例えば、物件購入を検討し確定申告等の個人の書類も全て提示し契約手前まで行ったが価格が折り合わず流れた後に、次に真剣に購入を考える物件が半年後に出てきました。ただ、その間に外車をオートローンで購入しました。1000万以下なので銀行に伝えずにそのまま進行しました。

稟議も一度上げて最後に全ての書類を取って決裁を取る段になり、個人の信用情報を取るとこの申告されていないローンの存在が明らかになります。

売主との調整や自己資金の調整や様々な事を全て詰めて来て、意図的にか否かに関わらず最後の最後に結果的には虚偽となってしまった申告が明らかになります。こうなるとその方は数年はその銀行では話が通らない状態になります。


「2.投資物件の絞り込みが何時まで経っても出来ない。たびたび購入物件の候補を変える。」は悪質性はないまでも仕事が全く進まないというイライラを銀行マンに与えます。通常であれば「この物件を買いたいのですが」と相談すれば評価や審査をしてくれるのですが、こういう人の場合は「また、ですか。今回は本当に買うんですか?」と聞かれます。最初から疑いの目を持たれて始まります。

何度も何度も持ち込まれる物件が変更になるという事は「投資判断という重要な意思決定が出来ない人」であるという事の証明にもなってしまいます。対銀行への購入の意思の伝達は自分に出来うるすべてのシュミレーションを終了してからにしましょう。物件候補を変えられる事によって、銀行も不動産鑑定士への報酬などのコストを負担する事になります。

(自分の意志で無く変更になってしまう場合は理解を得れるでしょう。また、変更物件の方が銀行としてやり易いという場合もあります。)


「3.紹介なしに飛び込みで話を持ちかける。」は意外と思われるかも知れませんし、ドンドン銀行の窓口に自分で訪問する様に本を書かれている人もおられますがベターな選択ではありません。昔のやり方ではそうやって切り開かれた方もいると思いますが、「紹介」に勝るアプローチはありません。

銀行が一般的にやっている住宅ローンや教育ローンなどは別として、不動産投資における事業性ローンの申し込みをするにあたって誰の紹介も得ずに訪問するのは得策でありません。銀行マンはこう考えます。

「この人いい年して誰も銀行紹介出来る人脈ないのかな?」「なんで不動産屋とかの紹介で銀行を紹介してもらえないのかな?駄目な人なのか?自作自演か?」「この経歴でこの年収の人がノーアポで来ないよな?何か裏があるのかな…」等などと考えます。というのは銀行マンは伝統的に紹介なしで銀行に来る人にロクな顧客は居ないと教育されているからです。


「4. 他行と最後の最後まで融資に関して天秤に掛ける。」は通常の商取引の慣行とは異なる点かと思います。例えば、家電の購入の場合は商品のメーカーとタイプと型が同じ場合には「他店より高ければ値引きします!」となっています。売る側自ら宣言して安くしますし、価格で負けた場合には「仕方ないか」となります。

一方、こと銀行取引に限っては天秤に掛けられるのを嫌います。一つの融資を実行する迄には数多くのプロセスを経て、時には終電間際まで残業をして稟議が書かれます。場合によっては若干難しい問題もあってそれをクリアしたり、鉛筆をなめなめしながら作文しています。その甲斐あってようやく
稟議が上がり、決済が通ったにも関わらず他行で融資を受けたとなっては担当者に取っては大きな汚点を顧客につけられた事になります。

支店長にしてみれば支店の数字が大きく狂って来ます。確かに金利や諸条件の良い物を引き出すのは短期的には自分のメリットになりますが、もし何棟か購入を考えるのであれば再度同じ銀行に依頼せざるを得ない状態が来る事を予見しましょう。

最後の最後まで通って顧客からの依頼された条件も通したにも関わらずフラレた銀行マンに、1年後にほとぼりが冷めたかなと思って新規の融資の申し込みをしましたが、一度こう言われた事があります。「この人への融資は私と支店長が異動になるまでは稟議上げませんので。ここだけの話ですが…」

多少の金利の差に目がくらみ銀行マンを敵に回してしまったのです。


「5. 融資の稟議を通してもらってから気が変わって購入を見合わせる。」はあまりありえない事でしょう。ただ、そういう人もいました。もっと良い物件が出てくるだろうと気が変わったのが原因です。子供っぽいと銀行マンも相手にしないでしょう。


銀行融資は通常の商取引よりも事前準備が多く手間がかかります。銀行取引には銀行取引に適した心構えで臨む必要があります。不動産投資をするにあたりこの辺りの事が分からないで物件ばかり追っかけるのは意味がない事になります。銀行マンを敵に回すのではなく、味方につけてこそ大きな成功
がついてきます。http://www.minato-am.com/
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