対象:住宅設計・構造
森岡 篤
建築家
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断熱層、通気層の役割
山田太郎の親友さんこんにちは
パルティータ建築工房の森岡と申します。
**通気層の役割
関西も関東も、冬の外気温は最低0℃程度で、室内温度が20℃とすると、温度差20℃程度です。
夏は太陽高度が高くなるため、直射をまともに受ける屋根面では、表面温度が60℃〜70℃まで上昇することがあります。
室内温度との差は、40℃程度となり、これだけ温度差があると、少々高い性能の断熱層でも、室内が暑くなるのは時間の問題です。
一方、もし日陰であれば外気温に近いはずで38℃程度、室内温度28℃とすると、10℃程度の温度差となります。
通気層の空気が十分なスピードで換気されれば、屋根表面温度が70℃でも、通気層の内側は外気温(38℃)近くまで下げることができ、これが通気層の役割です。
実際は、通気層の空気の温度も上昇するため、屋根表面温度と外気温の中間の温度となりますが、通気層の効果は大きく、夏の暑さ対策には必須といえます。
通気層に機能させるためには、十分な通気スペースがあるだけでなく、通気層の入口、出口(換気棟等)の十分な断面があり、スムーズに自然換気できることが必要です。
**断熱層の性能
断熱層の性能を確保するためには、
1)断熱材の性能
2)スキマをなくすこと
の両方が必要です。
断熱材の性能は、熱伝導率(W/(m・k))で表され、数値が小さい程高性能です。
高性能の断熱材を使っても、スキマがあったら熱が逃げてしまう(ヒートブリッジ)ので、スキマをなくし、すっぽり覆うことが必要です。
グラスウール充填断熱の場合、周辺の梁廻り、外壁との接点で、注意深くスキマをなくす必要があります。
FPパネルは、硬質ウレタンで、断熱性能が高く、正確な寸法ではめ込み気密を上げることで、高性能の断熱層となります。
吹込み用セルロースファイバーは、現場で「吹込む」ので、すきまがなく、安全面も優れています。
参考にしていただけたら幸です。
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