対象:住宅設計・構造
分離発注の問題点
分離発注の目的は安く依頼することにあるのではなく、同じコストならばしっかりした工事をするところを選ぶことが本来の目的です。
また、コストの不明な内容をはっきりさせるという目的もありますので、分離発注すれば安くなるというような短絡的な考えは間違っています。
たとえば住宅を新築する場合、家具工事を腕がいいといわれているA家具屋さんに依頼したいと思います。
通常は発注した建築会社と取引しているB家具店が家具工事を見積をしますが、その場合、その家具工事の見積にはBの経費と建築会社の経費が乗せられての工事費用ということになります。
そこで、家具だけをAに依頼するとした場合、建築工事費から家具工事は除かれて、家具工事の見積はAの経費だけが乗った金額になります。
これだけ見れば分離発注のほうが建築会社の経費が無い分安い思われるでしょうが、Bが建築会社から家具工事の依頼を頻繁に請けている場合、建築会社に有利になるように値引きした金額を出すケースがほとんどです。建築会社の経費が乗ってもAの見積金額との大きな差は生じてきません。
同じ金額なら腕がいいといわれているAが作った家具が立派にできることは考えられますが、Bもなかなかいい工事をするのであれば、あえて分離発注する意味は薄れます。
理由は、分離発注した場合、責任の所在があいまいになります。
将来、なんらかの瑕疵が生じた時、分離発注の場合はその瑕疵にかかわると思われる業者をすべて呼んで責任の所在をはっきりさせないと手直しはできませんが、誰も自分に責任があると言いませんから、水掛け論に終始することは簡単に想像できます。
分離発注の問題点は最終責任をどこがとるのかがはっきりしないということに尽きますので、その場合の解決策を講じておく必要があります。一括発注の場合は、元請けの会社が工事に関する責任を負うことになります。
以上、簡単に書きましたがお分かりいただいたでしょうか。
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この回答の相談
最近話題の分離発注は、本当にトータルでみて割安になるのでしょうか? 発注時の注意点があれば、教えてください。
※この質問は、ユーザーの方から事前にいただいたものを、専門家プロファイル が編集して掲載しています。
All About ProFileさん
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