対象:住宅設計・構造
森岡 篤
建築家
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機能的には、外断熱が優れる
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パルティータ建築工房の森岡です。
RC建物の場合、外断熱が優れています。
外断熱の断熱性能での特徴は、大きく2つあげられます。
先月掲載された図で説明します。
内断熱では、外壁に取り付く床や壁で断熱が切れ(ヒートブリッジ、熱が逃げる)ます。
これに対し、外断熱は、外側から建物をスッポリ覆い、ヒートブリッジが少ないため、断熱材の性能を効率良く生かすことが、1つ目の特徴。
2つ目:冬の暖房を例に解説
内断熱では暖房時、断熱材の内側の室内空気を暖めます。
必要な性能の内断熱であれば、暖房中暖かいのですが、断熱の外側の躯体は暖まっていないので、暖房を切ると、早く室内温度が下がります。
外断熱では、躯体が断熱層の内側なので、躯体ごと暖めます。
コンクリートは熱容量が大きいので、暖められた躯体は、暖房を切ってからも熱を放出し続け、室内温度がなかなか下がりません。
これを蓄熱効果といいますが、居住スペースでは、温度変化が少なく快適で、これがRC外断熱の最大のメリットです。
外壁や屋根の温度は、外気温と共に変化しますが、夏日射を直接受けると60〜70℃まで気温は上がり、これを繰り返します。
内断熱では、躯体がこの環境にさらされます。
外断熱では、断熱層により躯体の温度変化がずっと少なく、風雨からも守られるため、躯体の耐久性が期待できます。
結露は、外壁内外温度差により起きるので、ヒートブリッジ部が結露しやすく、外断熱が有利と言えます。
このように、RCでは機能面では外断熱が非常に優れています。
外断熱の問題点は、外壁仕上材料が限定され、結果としてコストが上がりやすいことです。
日本はタイルの建物が多いですが、外壁にタイルを直接貼ることはできません。
外断熱では、パネル状の外壁を取り付けるのが適しています。
私の良く使用する、金属板葺きは外断熱に良く合います。
評価・お礼
tMac さん
ありがとうございます。
やはり外断熱ですね。
外断熱のメリット大変よくわかりました。
また、質問がまとまりましたら再度追記させて頂きます。
宜しくお願いします。
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この回答の相談
これからRC戸建て住宅を都内に建てようと考え、断熱について悩んでいます。
下記のような観点から一番良い断熱方法を教えて下さい。
?躯体の耐久性・メンテナンス性の向上
?断熱… [続きを読む]
tMacさん (東京都/38歳/男性)
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