対象:住宅設計・構造
上村 美智夫
建築家
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高台の眺望を生かしたリゾート感ある家づくりが可能では
西側の隣地が3m程高い、旗竿敷地に住宅を設計したことがあります。(平塚の家)
旗竿敷地の特徴は、ほぼ4面が隣地又は隣家の囲まれているという点でしょう。一般的にはそのように思われがちな状況の中でも、その特定の敷地に限ってみれば、何らかの光は見えてくるものです。それが今回お尋ねの敷地では、北、北東方向の眺望のような気がします。
南側からの採光の確保のため、できるだけ北側に建物を寄せる案が考えられます。その場合、北側隣地境界線より北側斜線がかかり、2階部分が十分には建てられないケースもあります。なお、北側斜線の規制のない地域もあります。また、この斜線制限は北側隣地への南方向からの日射を確保する為のもので、お互い様のもので、今回お尋ねの敷地も南側からその恩恵を受けることになります。
建物を北側に寄せ、北側斜線も考慮して、1階の屋根部分を全面ルーフバルコニー(ウッドデッキにすることも可能)とし、それと連続して、リビング(ダイニング、キッチン)を計画してはどうでしょうか。ルーフバルコニー越しに、北、北東方向の眺望が常に存分に満喫できます。この場合、2階がLDKとなります。
平塚の家も2階がLDKとなっていて、新築して数年後、西側に1部屋リフォーム(増築)し、その上部を2階のリビングと連続するウッドデッキのルーフバルコニーとしました。このケースの場合、特に見通しの利く眺望等はありませんが、隣家が有りませんので覗かれる等の心配はなく、解放感のあるリラックスできる空間となっています。
現在思い付く案は、建物をできるだけ。北、東、西側の敷地境界線側に寄せ、南側からの日射確保の為、南側をできるだけ空ける案です。南側にまとまった空きが十分確保できない場合は、建物を南側に開いたコの字型とし、小さな中庭を設け、そこから採光する案なども考えられます。
いずれにせよ、その敷地の環境条件を生かした個性的で、住みよい住宅とすることは可能でしょう。今回お尋ねの敷地の場合、北、北東方向の眺望を生かした、傾斜地とも関連して、ちょっと別荘地のようなリゾート感覚をも感じさせる、日常を忘れさせてくれる空間づくりなどの可能性を秘めているようにも思います。
どうか、悔いのない満足できる家づくりとなることを願っています。
少しでも参考になれば幸いです。
参考までに
平塚の家(PAO建築設計ホームページ)
http://www2.gol.com/users/paoarchi/hir_jirei-1.html
リフォーム/平塚の家(PAO建築設計ホームページ)
http://www2.gol.com/users/paoarchi/jilei-reform/hra-reform/hra_re1.html
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北向きのひな壇で旗竿地50坪を購入予定です。
東南、南西には1.5メートル程土地の高さがあり、住宅が建つ予定です。
また、北西には墓地があり、、という難ありなのですが、
高… [続きを読む]
camimaiさん (東京都/29歳/女性)
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