- 塚本 有紀
- フランス料理・製菓教室「アトリエ・イグレック」 主宰
- 大阪府
- 料理講師
対象:料理・クッキング
- 黄 惠子
- (料理講師)
1月の製菓基礎講座にて
1月19日21日
ガレット・デ・ロワgalette des rois
フランスでは1月6日のご公現の祝日epiphanieに、ガレット・デ・ロワを食べてお祝いします。
年開けから1月末までどこのお菓子屋さん、パン屋さんにもガレットがずらずらと並びます。週末ごとの家族の会食でも、友人との集まりでも、ガレット・デ・ロワが切り分けられます。
ガレットとは丸くて平らなお菓子、ロワは王様です。王様のお菓子には、紙の王冠がおまけにつけられ、ガレットの中には、陶製のおもちゃが入っています。切り分けられたピースの中にフェーヴが入っていた人が、その日の王様、王妃様。周囲の人に命令ができる、という遊びをするのです。
といってもそうそうフェーヴにはあたりません。なんとか当てたくて、あちらのお菓子屋さん、こちらのパン屋さん、と1月中は繰り返し繰り返しガレット・デ・ロワを食べることになるのです。
さてガレット・デ・ロワは折り込みパイ生地を作るところからスタートします。
室温が高くなるとバターがゆるみ、よい生地にはなりませんので、みなさんには厚着をしてきていただいて、暖房をゆるめにします。
丸くくり抜いて、アーモンドのクリームを敷き、さらに折り込みパイ生地を乗せます。
中には陶製のフェーヴを入れています。
フェーヴは「空豆」という意味です。もともとは乾燥空豆を入れていたのだそう。
空豆は豆類の中で一番に芽を出すので、春の訪れを意味するのだと、そういえば献上式のときにフランス領事がおっしゃっていました。
今はありとあらゆるモチーフのフェーヴがあります。
聖人シリーズから、パンやお菓子、車に飛行機、野菜、ジャッキーチェンからピカチュウまで。
カラフルでとても可愛いのですが、焼きが異様に甘いのが玉に瑕。
すぐにどこかが欠けて、羽根のない虫とか、手の掛けた人形に・・・。
残り生地からは、ポン・ヌフを作ります。
折り込みパイ生地で作ったタルトレットに、シュー生地とカスタードクリームを同割りで合わせた、ヘンなクリームを絞って焼きます。
「可愛い! でも仮面ライダーみたい!」
毎年必ず誰からともなく聞かれる感想です。
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