- 葛西 伸一
- 株式会社メンター・クラフト 代表取締役
- 東京都
- 経営コンサルタント
対象:人材育成
愛社精神が強ければ、会社発展のために部下がいやがろうが、
強引に飲みに連れていった。しかし、高度経済成長期の集団主義から、
バブル崩壊頃から個人主義への移行し、上司自身も愛社精神による
部下教育より、自己保護による意識が働いているのではないだろうか。
つまり、部下を飲みに誘って断れた後に寂しい気持ちになり、
そこから、「そこまでして、部下を教育するつもりはない。」
という割り切った気持ちにはなった経験はないだろうか。
これら、3つの仮説は、統計的データこそないが、
私の経験として痛感しているものである。
実際私も、1996年と2007年の転職では、その環境は大きく
様変わりしていた。
これらの仮説が絡みあって「若手が転職しやすい」とするならば、
現代の上司は、昔以上に自社のために若手を教育する熱意をもう一度、自ら湧きたてる必要がある。
転職容易時代だからこそ、
自分のプライドよりも、部下を育てることに全力を注ぐ。
仕事の楽しさを教える。
ある意味、昔の上司よりも環境が異なるために、
今の上司に求められる難易度も高いわけだ。
そのためにも、若手達が”転職することより、自社で働く方がやりがいがある。”と本気で思えるように、会社の制度、報酬以外の価値、人間関係を
整備する必要がある。
コーチングなどのコミュニケーション技術が必要となっている背景もここにある。
上司としては、決して、部下におべっかを使うということではなく、
部下へ愛情をもって、厳しく、楽しく一緒に仕事することを
心がけることが若手もベテランも、モチベーションをもって
働くために必要なことなのだ。
部下が辞めないためのKEYは上司や先輩が持っているのだ。