- 増井 真也
- 建築部門代表
- 建築家
対象:住宅設計・構造
良い意味でもというのは言うまでもない。自然と建築との共生というのはこれまでも、そしてこれからいいっそう追求されなければいけないテーマである。
悪い意味でもというのはこうだ。建築が乗せられた岩山はコンクリート用壁によって崩れ去ることを妨げられ、床を支える木の束はコンクリートの基礎によって固められ、木の束同士も鉄骨の補強材によってしっかりと固定されていてその様子は見ていて痛々しいものであった。死ぬことを許されない現代人の延命治療にも通じるところがあったようにも感じた。そして何とか破壊しないように維持されている自然環境(岩山)と、地震などの天災やアクシデントによるその一瞬の破壊によってはその上にある人類(建築)の破滅につながるという、今の時代の誰もが感じる不安を小さく表現しているように見えるということである。
皆さんはこの様子を見て何を感じるだろうか。