- 宮本 陽
- And EM アンド・エム 代表
- 兵庫県
- カメラマン
対象:写真・ビデオ
- 宮本 陽
- (カメラマン)
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そうだったの?意外なカメラの知識: デジカメはボケが撮れない?
スマホカメラの台頭によりコンパクトデジタルカメラ(以下、コンデジと略称)の活躍の場が少なくなってきたかもしれません。
しかし、スマホカメラではほぼ無理な、そして一眼レフのみで可能だと思われている「ボケ表現」。コンデジでも可能な撮り方があるものです。今回はコンデジでボケを撮ってみる方法を考えます。
写真で大切な「対比」の考え方。この観点で被写体を見るとボケ表現も見えてきます。
今回のサンプル写真(clickし拡大画像をご覧になってください)は、数年前のコンデジで撮影しています。右奥の机は立派にボケて写っています。当然、一眼レフで撮影したボケ具合には叶いませんが、多くの方が「デジカメはボケを撮ることはできない」と考えていらっしゃることと思います。 コンデジでも被写体の位置関係を考えることで、ある程度のボケを活かした撮影は可能です。
【ボケが出るはずがない環境で撮っている】
背景がボケない理由は、ピントが欲しい主題となる被写体と、ボカしたい背景が同化してしまっていることが多いと思われます。背景となる壁をボカし前に立つ人物を引き立たせて撮影するという条件を考えてみます。壁は柔らかくボカして人物だけを浮き立たせる。という表現です。
ここで壁に接触しもたれかかってしまうと、まず壁をボカすことは難しいはずです。センサーサイズの大きな一眼レフと開放f値の小さな単焦点レンズなどの組み合わせでは、極薄の被写界深度を活かし壁をボカすことは可能になるでしょう。ですが、ここではコンデジで背景をボカしたいわけですから選択肢から外します。
考えなくてはならないのは、背景と人物の位置関係です。壁にもたれかかった時点で「壁と人物が同化してしまう」のでカメラにとってはボケようがない、ということにまず初めに気づくことが大切です。
【被写体と背景・前後の距離を考える】
サンプル写真を再度見ていただきたいのですが、手前の一眼レフと背景となる右奥の机との距離が大きいことが判ると思います。これこそが「ボケ表現の要」となる位置関係です。浮き立たせたい被写体には近く、ボカしたい背景は遠く。これがポイントです。
実際には、絞りの設定によってボケ具合は大きく変わります。ですが、コンデジでは絞りの調整は難しいモデルも多いため、こうした位置関係を考えることで結果に変化を出す方法を考える必要があります。
また、レンズの焦点距離によっても同様にボケ具合は大きく変わります。今回のコラムでは焦点距離については触れませんでしたが、壁にもたれかかってしまう時点でボケない環境になっている、と判断することが大切なのではないでしょうか。
道具を使いこなす。とは、その道具が備えている膨大な機能を知ることではありません。どういった環境であればどのような結果が出るかを知り、そのシチュエーションに合わせ望む結果を出すこと。これが道具を使いこなす。ということです。
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