- 松下 雅憲
- 株式会社PEOPLE&PLACE(ピープルアンドプレイス) 代表取締役
- 東京都
- 店長育成・販売促進ナビゲーター
対象:人材育成
「始めてのお客様!ご利用金額半額!」
新規客の獲得は、重要な成長戦略のひとつです。
しかし、私は、こう言った新規客だけを満足させるサービスに、イラッとしてしまいます。
新規客だけ得するのはどうも釈然としません。
既存客も満足させて欲しいのです。
携帯電話も、各キャリアは、他キャリアから自社への乗換に対して多大な価格サービスを行っています。
それは、自社からの流出が多い事への危機感なのでしょう。
D社が特に目立ちます。
でも、なぜ、自社のユーザーの、他キャリア移行を防ぐアクションに、もっと力を入れないのでしょうか?
以前は、使えば使うほどお得になるサービスが主流でした。
まあ、これもたいしたメリットはありませんでしたが・・・
今はポイントを貯めていく方式に主流が移っています。
しかし、こんなレベルのサービスは、それをしのぐダンピングを行えば、それでその効果はなくなるのです。
価格サービスには限界があるのです。
どこのキャリアも、流出よりも流入に力を入れて、消耗戦に入っています。
なぜ、新規客獲得競争しかしないのでしょうか?
流出は、仕方のない、防げないものなのでしょうか?
美容室も同様です。
私は美容室を使わないので、正確には分かりませんが、聞く所によると、どうも既存客をつなぎ止める作戦よりも、新規客獲得にのみに力を注いでいるような気がしています。
もちろん、新規客を獲得して、その人達を固定化するというのは、ビジネスの定番中の定番作戦です。
しかし、固定客化させる作戦が余りにもお粗末なのです。
確かに、どんな業態でも新規客の固定化には苦労をしています。
たまたまその街に来られたお客様が、たまたま店を見つけて機会来店された場合などは、もうその街に来ないんだったら、固定化は難しいですね。
でも、新規客の全てが、そう言う状況のお客様ではありません。
その街に新たに住み始めた人、通い始めた人の可能性の方が高いのです。
業態や商品によっては、その店に来る為に、わざわざその街に来るお客様もいるはずです。
最初に、安さでお客様を獲得する作戦を採るのならば、それ以上に再来店に繋げる作戦に力を入れないと、元は取れません。
永遠に、安売り合戦、消耗戦を続けなくてはならなくなります。
ある会社ディーラーの年間最多販売記録を持つ営業マンは、ここ十数年、新規客獲得の活動はしていないとおっしゃっていました。
では何をしているのでしょうか?
既存顧客のサポートにのみに全力を注ぎ続けているそうです。
そうすると、2台目、買い換えは、この営業マンを指名して買って下さいます。
そこには、価格競争もありません。
新規のお客様は、既存のお客様が連れてこられます。
これは、単価の高い外車販売という業態だけの特殊な例ではありません。
どんな業態でも応用できる例なのです。
新規顧客獲得は、重要な戦略です。
しかし、それ以上にそうして獲得したお客様を再来店に結びつける戦略は、更に重要なのです。
私も、「利用されるたびに満足度が向上する」、そう言うサービスを提供し続けたいと思います。
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