- 増井 真也
- 建築部門代表
- 建築家
対象:住宅設計・構造
たとえば柱一本の値段。これは大体4000円程度である。もちろん樹種などによってぜんぜん違うが杉の特一等材であればこれだけ出せばまず買うことが出来る。
住宅の柱と梁を合わせた構造材の値段。これは30坪程度の家で約100万円。もちろん多少のばらつきはあるがそれほどはずすことはない。
このように考えていくとすくに○千万円単位で考えがちな住宅のコストというものが、実はかなり細分化された日常的な感覚の中の価格帯のもので構成されていることに気がつく。そしてこのような日常感覚の中の価格になると皆さんも急に勘が働くようになる。どこをどうすれば価格を落とすことが出来るか、何か自分で出来ることはないか。
家作りは一生に一度の大きな買い物である。自分の家を自分で作るという感覚をもち、自分のこだわりのものを、納得して購入し、その部材一つ一つを積み上げて住宅を作り上げる、そのように考え始めると家作りは急に楽しくなる。そして自分でもっとやりたくなる。
実は家作りの作業の中には自分で出来ることがたくさんある。私がかかわる家作りではほとんどの方がセルフビルドに挑戦するのであるが、初めて作業する方でもプロ顔負けの独創的な左官の仕上げをしてみたりとどなたも非常に楽しみながら作業に取り組んでいる。
次回はこのセルフビルドについて詳しくお話しようと思う。