- 真鍋 貴臣
- 香洋ファイナンシャル・プランニング事務所 代表者
- 香川県
- ファイナンシャルプランナー
対象:家計・ライフプラン
【以下引用】
富裕層ら一定以上の高額資産を持つ層に課税する「富裕税」について、26日の参院社会保障と税の一体改革に関する特別委員会で、安住淳財務相は「2-5改正では所得課税、資産課税では、富裕層の方にぜひご負担をお願いするような税制をまとめてまいりたい」として、資産に対する課税に前向きな考えを示した。又市征治委員(社民)の質問に答えたもの。
「富裕税」という言葉が、今国会でもよく出てくるようになったが、過去日本でも昭和25~27年度に施行していたことがある。その際の税収額は、25年度5.2億円、26年度9.6億円、27年度22.3億円だったという。
安住財務相は「土地家屋は把握しやすいが、預貯金が終戦直後のことなので把握が難しかった。収入はないが、資産がある人には財産を食いつぶすだけだったので難しかったこともあり、3年で終わってしまった」と説明した。
また、現在は、海外に移転している資産、さらには貴金属、動産の試算が難しいと一般的には言われている。
株式の配当課税を来年度から20%に戻すが、安住財務省は「そういう方向に向けて、いろいろ検討していきたい。今後は、ある程度お願いしていかないといけない」と述べた。
http://media.yucasee.jp/posts/index/11677
【引用終了】
いつかは実施されるだろうと思っていましたが、遂に「預貯金等」を対象とした資産課税に関して財務大臣から具体的な発言が出ました。
今年度の税制改正でも、高所得者の給与所得控除に上限が設けられたり、退職所得控除の条件が厳しくなっています。
また、今回の税制改正では見送られましたが、相続税の基礎控除についても今後引き下げられる見込みです。
これらを織り込んだ場合、日本の富裕層は相当の増税になること間違いなしで、これまでのような「3代続くと資産が無くなる」という時代から「2代続くと資産が無くなる」という時代に突入する事でしょう。
富裕者から高額な税金を取るという考え方は、貯蓄を消費に振り向けるという効果をもたらすため、経済効果があるという説もありますが、私はやはり「ポピュリズムの一環」という考え方に近いのではないかと考えます。
アゴラのこの記事(http://agora-web.jp/archives/1475383.html)にもありますが、日本の体力と生活水準を比した場合、現在の日本の生活水準は非常に「高い」ものであり、今後一層の「低下」が想定されます。
現在でも「国民総中流」の意識は薄くなりつつありますが、今後はより一層「5%の勝ち組」と「95%の負け組」に分かれていくことでしょう。
そうなったとき、「95%の負け組」へのガス抜きとして、この「富裕税」は効果を発揮すると感じています。
頑張って成功しても、高額な税金で資産が持って行かれる国…こんな国に、富裕者は住みたいと思うのでしょうか?
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