成績不振の原因はナニ? 言い訳にしないために その3 - 中学校受験対策 - 専門家プロファイル

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閲覧数順 2016年12月04日更新

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成績不振の原因はナニ? 言い訳にしないために その3

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前回の「その2」では、「ふたつの事柄がともに事実だったとしても、それらを『因果関係』で繋ぐことはできない」という点「まったくの無関係とは言えない」という点で、「青魚を食べると、頭が良くなる」という説と、「国語ができない、『だから』算数の文章題もできない」と考えてしまうことがよく似ているということについてお話ししました。

 

ここで言いたいのは、

「ふたつの事柄がともに事実だったとしても、それらを『因果関係』で繋げるかどうかは、別問題だということ」と「何か関係がありそうだというふたつの事柄は、『因果関係』で繋がれやすいということ」、「『因果関係』にないにもかかわらず、その原因と仮定されたものをいくら○○ても(○○の部分には、「摂取し」や「向上させ」などが、その分野ごとに入ります)、結果と仮定されたものは変わらないということ」

です。

 

「『文章』題」という言葉を入れることによって、「国語の成績」と「算数の『文章』題の成績」が「因果関係」で繋がってしまうように見えます。しかし、「文章」という言葉を取っ払って、「ウチの子の算数の成績が良いのは、国語が得意だからなんですよ」「国語の勉強をしっかりやらせたら、ウチの子の算数の成績がグングン伸びたのよ」と言う「ママ友」がいたら、「エッ!」と思いませんか

 

ところで、読者の皆さんの中には最初の段落中の「まったくの無関係とは言えない」の部分に反応していらっしゃる方もいるのではないか(「やっぱ、関係があるんじゃん」などと)、と思います。

そこで次に、「国語ができないことと算数の文章題が解けないこと」を「因果関係で繋ぐのは誤り」だが、「関係はある」ということについてお話ししたいと思います。

 

結論から言えば、「因果関係で繋ぐことはできない」が、「共通する『あること』が、国語の成績が振るわないことと算数の文章題が苦手であることの原因である場合がある」ということです。

 

 

こんな子がいます。

国語の物語であるならば、「登場人物それぞれの人物像、登場人物間の関係を前提として、現在読解中の場面で、何を言い、何をしたかをもとに、ある人物の心情を読み取る」というのが、読解の基本になるでしょう。ところが、このような国語の読み取りを他教科でもしてしまう子です。

以前に、ある子の指導にあるお宅に伺っていたところ、私が指導している横で、下のお子さんの指導をお母さんがしていました。教科は、算数です。当然、算数の文章題なら「数量関係」を整理しながら読み進める必要があるのですが、お母さんが「ケーキをひとつもらいました。お兄さんはそのケーキの2分の1を食べ、弟は残ったケーキの2分の1を食べ……」まで問題を読んだところで、それを聞いていた「弟くん」は、「ずっりぃー、かわいそう」と叫びました。よくこんな目に遭っているんでしょうね。

でも、当然のことながら、「算数の文章題」を読んでいるときに、そこに登場した人物の「気持ち」を考えるなどということは、「ほかごと」に当たります。算数に限らず、文章題では、その文章から問いに答えるために必要な情報を取り出す必要があり、それ以外の情報は捨てる必要があります。問題を解いているときに「今日のおやつは何かな?」と考えることは、もちろん「ほかごとを考えている」ことになりますが、算数の文章題を読んでいるときに、登場人物の「気持ち」を推し量るなどということも、「ほかごとを考えている」ことになります。

先ほどの文章題は、「今、残っているケーキは初めにあったケーキの何分の何かを答えるもの」でした。ですから、この場合は兄が多く食べようと、あるいは、仮に弟が多く食べようと、問題を解くための情報にはならないということです。必要なのは「二分の一の半分はどれだけになるのかを計算すれば答えが出る」ということをとらえることです。

 

 

何らかの目的を持って、文章を読む。

別にこれは何かの教科の文章題を解くときに限ったことではありません。

私たちが日常何かの文章を読んでいるときは、目的を持って読んでいるはずです。

例えば新聞の社会面を読んでいるとします。どこでどんな事件が起きたのか。それは、自分の生活に直接かかわることなのかどうか。など、目的を持って読んでいるはずです。もちろん、新聞を読んでいる場合は、同じ記事を読んでいても、読者ごとに目的は異なる場合もあります。その点は、何かの教科の文章題を解こうとしている者が、皆同じ情報を得ようとしているのとは、異なりますが。

いずれにせよ、文章にはさまざまな情報が含まれています。そして、私たちはそのさまざまな多くの情報の中から自分に必要な情報とそうではない情報とを区別し、必要な情報を選んで取り出しているのです。

 

 

ここまで書いてくれば、先ほど 「因果関係で繋ぐことはできない」が、「共通する『あること』が、国語の成績が振るわないことと算数の文章題が苦手であることの原因である場合がある」 と書いた、「あること」とは何か、お分かり頂けるのではないかと思います。

そうです。もしここに「何の目的意識もなく、ある教科の文章題の文章を読んでいる子」がいたとしたら、あるいは、「ある教科の問題を解くのに必要な情報と、別の教科を解くのに必要な情報を混同している子」がいたとしたら(さっきの「弟くん」がこれに当たりますね)、「自分が今解こうとしている教科のその分野の問いを解くのに必要な情報は何かを知らずに読んでいる子」がいたとしたらどうでしょう。

必要な情報を取りこぼしたり、不必要な情報を取り込んでしまうことでしょう。その結果、正しい答えが出せない、得られないということになるでしょう。

 

ですから、「成績の不振の原因を言い訳にしない」ためには、「文章題は、文章を読んで答えるものだ。文章を読むのだから、成績が良いのも悪いのも『国語のせいだ』」などと乱暴にまとめてしまうのではなく、お子さんが「問題を解くために、今読んでいるその文章から『どんな情報を取り出せばよいのか』それを理解しているかどうか」を確認して頂きたいと思うのです。

 

当然のことながら、「どんな情報を取り出せばよいのか」は、各教科のテキストや参考書に書かれています。各教科の「どんな情報を取り出せばよいのか」がすべて国語のテキストや参考書に書かれているわけではありません。念のため。

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公立学校教諭、大手予備校講師として25年。問題作成・問題分析のプロとして入試問題、問題集などを執筆し、進学・学習講演活会の講師を務めています。これらに裏打ちされた、指導方法、指導内容、アドバイスの「引き出し」の数、量、質には自信があります。

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