「国語ができないから、算数の文章題も……」ってホント? その3 - 子供の教育・受験全般 - 専門家プロファイル

岡松 高史
岡松教育進学研究所 代表
愛知県
家庭教師

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対象:子供の教育・受験

大澤 眞知子
大澤 眞知子
(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)
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閲覧数順 2024年04月26日更新

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「国語ができないから、算数の文章題も……」ってホント? その3

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受験直前期でしたので、「緊急投稿」コラムが続きましたが、名古屋地区は中学受験もひと段落いたしました。また、こちらの一連のコラムの執筆に戻りたいと思います。

 

「その1」「その2」を通じて、「国語ができないこと」と「他の教科の文章にかかわる問いが解けない、あるいは、苦手だということ」を「因果関係」でつなぐのは、誤りではないか、というお話をして参りました。もし、これらが「因果関係」でつながるとしたら、次の事例はどう解釈すればよいのか、という例を挙げて、とりあえずの締めくくりとしたいと思います。

 

プロフィールにもありますように、私の活動のひとつに「家庭学習支援」があります。私なりの考えがあって「家庭学習支援」という言葉を使っていますが、活動内容はいわゆる「家庭教師」と「受験にかかわる各種ご相談ごとにおこたえすること」だと思って頂いてかまいません(「私なりの考え」については、またいつかお話する機会があるかと思います)。家庭教師としては、中学入試対策を中心に、高校入試、大学入試対策の国語専門の家庭教師として活動しております

また、「悩み解決ナビ(Q&A)」の「塾と家庭教師どちらにするか」のページでもお答えしているように、私は中学受験の場合、「受験対策を家庭教師だけで行うのは危険だ」と考えています

そこで、指導依頼をお受けするのは、原則として「いずれかの予備校、進学塾に通っていらっしゃる方」としています

 

ご依頼の動機にはさまざまなケースがありますが、中には「算・理・社はずば抜けて良くできている(そこそこできる、あるいは、志望校の合格レベルに達している)のに、国語が芳しくない。何とか国語もそこそこできるように(あるいは、足を引っぱらないように)してもらえないか」というものもあります。

もうお気づきだと思いますが、もし「国語ができないこと」と「算数の文章題が解けないこと、あるいは、理科や社会の文章題が解けないこと」が、原因と結果という「因果関係」でつながっているのなら、このようなお子さんは世の中に存在しないことになってしまいます

しかし、現実には「他の3教科、あるいは、4教科に比べて、国語の成績だけが極端に低い」というお子さんも多々いらっしゃいます。国語の成績は芳しくないものの、算数の文章題はかなり難度の高い応用問題でもスラスラ解く子、理科で習った自然現象についてその因果関係をきちんと整理して説明できる子、社会で学習した歴史用語の指す意味内容を詳細に説明できる子など、おおぜいいらっしゃるのです。

この事実から考えても、「国語の成績が振るわないこと」と「他教科の文章にかかわる問いが解けないこと」を「因果関係」としてつなぐことはできないでしょう(もちろん、英語科の英訳、和訳と国語は他教科の他分野に比べれば関係が深いと言えますから、これは除きます)。

 ですから、やはり文章、語句にかかわる問いであっても「算数は算数」「理科は理科」「社会は社会」で学習するのだといえます。

 

ところで、このようなことを、なぜ長々と説明してきたかですが、次にこのことについてお話ししたいと思います。これまでの「その1」「その2」「その3」に続く内容ですが、お話の方向が異なりますので、「成績不振の原因はナニ? 言い訳にしないために」とタイトルを改めたうえで再開することにします。お手数を取らせますが、そちらのコラムに移動してください。

その前にひとつ、最後に面白い事実(「わっはっは」の面白いじゃないですよ。「興味深い」の方の面白いです)をお伝えして、次のコラムへの橋渡しにしたいと思います。

それは、「国語ができないから、算数(あるいは、理科、社会)の文章題も……」という言葉は、受験生本人からはまず聞くことがないという事実です。これは、小学生、中学生、高校生、高卒生を問いません(ただし、前記のように英訳、和訳と国語との関わりについては、除きます)。

「先生、国語ができないせいで算数も理科も社会もできないんです。何とかしてくれませんか」などと、受験生本人から頼まれたことは、この25年間一度たりともありませんでした。

では、誰が言うのか、それはもうおわかりですね。そう、保護者の方なのです。

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