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脳心理学に基づいた英語の教え方ー4

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《第3段階》 

 11か月から1歳くらいにかけて、今度は「脳」は音声器官だけでなく、身体のあらゆる部分に指令を送り始めます。 コミュニケーションには身体を総動員する必要があるからです。 例えば「花」と伝えたい「脳」は「においをかぐ」ジェスチャー指令を出します。 唇をパクパク言わせると「食べたい」表現。 手に息を吹きかけると「熱い!!」など。 英語圏独特のジェスチャーに肩をすくめるというのがあります。 “I don’t know.”と両手のひらを上に向けて肩をすくめるだけで完全にコミュニケーションが取れてしまいます。  手のひらの場所、肩の上げ方、そして表情との組み合わせで実に多くの感情も表現することが可能です。 

 英語母国語の子供の中でも、親がジェスチャーを奨励する環境で育った場合、語彙数が多い、理解力が高い、聞き取り能力が高い、自分の言いたいことを伝えるのがうまく、簡単には怒りださないなどの特長があることが報告されています(Goodwyn & Acredolo, 1998)。

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  もうお分かりですね。 ここが日本の子供たちの母国語習得とも大きく異なる部分です。 日本語には余りジェスチャーが付いてきません。 また日本語習得過程の幼児にジェスチャーを奨励する日本の親も少ないと思います。 英語圏の大人と比べて日本の大人はほとんどジェスチャーを使うことはないと思います。 つまり、すでに11ヶ月の段階で、英語の「脳」は日本語の「脳」と大きく異なっているのです。

 1歳前後で英語のNative Speakerに追いつく方法
音が出せるようになった子供たちにはここからが大きな勝負です。 英語の独特なジェスチャーと同時にそのジェスチャーに附帯した表現を教えることが重要です。 この指令を身体のこの部分に出したらこの指令も同時に口や舌の筋肉に送ろう!と「脳」に教えてやらなければいけませんから。 自然な音の組合せと個々の発音とそれに合ったジェスチャーとか完全なセットで「脳」に記憶されることが必須です。

 

1) 一番最初に最も有効なジェスチャーは例の肩をすくめる”I don’t know.” 「わかりませ~ん」  日本人の「脳」は「わからない」と認めるのをとても嫌がる傾向があります。 「わからない」ときには「黙っていろ」司令が「脳」から出るようです。 その傾向のある「脳」はそこから先には進めません。 特に英語習得にはそこで一巻の終わりです。 「わからない(だから教えてください)」と認めることから英語が理解できるようになります。 それも身体のすべての要素を使って「わからない。」  これにつきます。

2) そのあとは、人間の基本的な感覚を表すもの、P-U(臭いー鼻をつまむ). Smells good(いいにおいー思い切り息を吸い込む). Yummy(おいしいーほっぺたをさする). It’s hot (あついー手であおぐ). I’m sleepy (眠たいーあくびをする). などが「脳」には簡単理解出来る動きです。 感情を込めて声に出し、大きなジェスチャーをすることが鍵です。 大げさな感情が入ると「脳」の感情部分の細胞も活動しますし、大きなジェスチャーはたくさんの筋肉が司令を受けます。 総動員で覚えるわけです。

3) 反復練習を数ヶ月もすると、英語表現を口にするだけで「脳」からの指令が自然に身体を動かせるようになります。 ただし、反復練習をするときにも、ただ意味もなく”I don’t know.”と叫ぶわけにはいきませんから、そのような状況を自然に作り出すことが大切です。 

ここにテクニックがかなり必要となります。 今までの経験で、かなりうまくいったのが”I got to go the washroom. (トイレに行きたい)です。 ズボンの前の微妙な部分を抑えて子供が早口で言います。 自然の欲求なので感情は入るし、とにかく伝えないとトイレにいけないので皆必死です。 あっと言う間に覚えて、発音のきれいなことこの上ありません。 これを習った子供たちの「脳」は一生この表現を忘れないと思います。

4) 重要ポイントは、やはりしつこくしつこく使うことです。 特に英語を習っているとき以外の日本の環境ではまったく逆に「脳」が働きますから。 身体をいっぱい動かしてしゃべるなんて変に思われる言語環境ですよね。 相棒のカナダ人のコメントです。 日本人と話すときには手を後ろに組んで話します。 ついジェスチャーをつけてしまうので。 日本人はジェスチャーをつけると嫌な顔をしますね。 

そんな日本の環境はせっかく出来かけた「脳」の英語ジェスチャーネットワークを阻害してしまいます。
日本人の環境がこの段階の「脳」の発達を阻害する実例は他にもあります。
英語を教えているクラスにひとりでもNeurotic(否定的で感情表現が衝動的。)な子供がいると大変です。 そのたったひとりの否定的な言動、ジェスチャーを拒否する嫌悪感などが他の生徒に簡単にあっという間に伝染してしまいます。 そのような性質は遺伝によって決まったり、環境(親もそうだったり・・)により増幅されたりするので、英語の指導者にはどうしようもない頭の痛い要因です。 遺伝子でも変えない限り手の打ちようがないわけです。 

ということで、クラスにはそのような子供はいないことが理想です。 生徒を選別する。 これも英語を教えるにあたって重要なことになります。

5) 年齢が高い「脳」にはラップとジェスチャーの組み合わせなど、「脳」の他の部分の発達段階に合わせて形を変えて行く工夫が必要です。  日本人の大人の「脳」は・・・。 ほとんどのケースで手遅れかもしれません。 脳細胞が反応してくれないことが多いです。 身体がほとんど動きません。

 
ここまでやってきてやっと1歳半くらいに近づいただけです。 ふぅ~。

でもこの段階で得たことは次への大きなステップとなります。 


  30年英語を教えて来てどうしてもジェスチャーが出来ない子供もずいぶんいました。  生まれて何年か、十何年か経って私の手にゆだねられた子供ですが、そこまでに「脳」はまったくジェスチャー経験を収納していない子供です。 親も非常に感情表現が乏しくて(日本人に多いですけど・・)、「脳」は言葉司令と身体を動かす指令とを同時に出せるんだ!と覚える機会がなかったケースです。 この先に進むのは至難の業だと思います。

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