- 鈴木 克彦
- 株式会社マクス 代表取締役
- 建築家
対象:住宅設計・構造
ハンドカットとマシンカットは、文字通り、加工が人の手か機械かの違いで、加工する断面の形によって、丸ログ・Dログ・角ログなどに分かれます。
通常、ログハウスは、ログ材を積み重ねて作る組積造ですが、ポストアンドビームは、ポスト(柱)とビーム(梁)からなる軸組工法となります。
P&Bには、さらにピースエンピース(P&P)と言う工法があります。
P&Bは、壁の部分を通常は2×4で下地を作りますが、P&Pは、壁の部分が、フィーラーログと呼ぶログ材を水平に積み上げて(柱の溝に落とし込む)作られます。
この方法は、まさに、柱に厚板を水平に落とし込む、板倉造りの落とし込み工法と通ずる部分です。
板倉造り(校倉造り)で有名な正倉院は、まさに組積造のログハウスと同じ考え方で作られています。
日本の場合は、雨が多いので、建て始めてからごく早い段階で屋根を作る事が出来る軸組工法が発達して来たと言われていますが、校倉から落とし込み板倉へと発達していったと言う事ではないでしょうか。
いずれにしても、全く文化も気候も違う場所で、この様に似通った工法が発達するというのは非常に興味深い事実ですね。
古今東西、木の温もりや暖かさ・調湿性や防黴性・防音性や断熱性など、快適さを求めていった結果が木の家の文化となってきたのでしょう。
(ちなみに写真は、再現された板倉の遺跡と古民家の倉庫の解体時の写真です)
さて、実際に"板倉造り"工法の家を見てみたい、と言う方は、今週末に構造見学会がございますので、是非ご自身の目で、ご自身の鼻で、ご自身の手で、確かめてみて下さい。
詳しくはこちらです。
http://profile.ne.jp/pf/k-suzuki/column/detail/22811