不動産と地名 - 住宅・不動産トラブル全般 - 専門家プロファイル

巻口 成憲
リズム株式会社 専務取締役
東京都
不動産投資アドバイザー

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対象:住宅・不動産トラブル

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こんにちは、リヴァックスの巻口です。

今日は投資においても役立つお話として、少し雑学っぽくなると思いますが、

東京の地名のお話をしてみたいとおもいます。

昨年の震災を契機に不動産の立地の安全性、特に浸水や地盤沈下などについ

て非常に注目が集まるようになりました。

昔から不動産を検討する際に「水を連想させる地名」の物件は避けたほうがよい

という言われ方をすることがあります。

日本の地名は「山」や「川」など、その地形に基づいて命名されていることが多く、

水に関連した名前の地域は浸水や、地盤自体ゆるい可能性があるというのが

その理由です。

わかりやすい例は渋谷駅でしょう。「谷」とついているように、渋谷は青「山」などへ

向かう宮益坂や道玄坂といった「坂」に囲まれて谷地になっており、東横線渋谷駅

の下には千駄ヶ「谷」からくる渋谷川が流れています。

東京に水の付く地名は思いつくだけでも、「川」では江戸川、小石川、深川、品川、

池では池袋や池尻、溜池、沢では、駒沢、奥沢、代沢、深沢、そのほかにも「湯」島

や飯田「橋」といった水を連想させるものや、谷や久保(窪)、(落)合といった低地を

意味するものなどを含めると、水関連の地名は枚挙にいとまのないほど上げること

ができます。かように東京の地域は起伏が激しく、「山」と「谷」「川」そこを結ぶ「坂」

で構成されている地域だということがわかります。

もちろん、これらの土地すべてが地盤に不安がある地域というわけではありません。

こうした場所をさけるのでは東京にほとんど住むことができなくなってしまいます。

東日本大震災の時の液状化現象などが関東でも問題になりましたが、液状化

が起こった地域は「浦」安や舞「浜」、横「浜」などの海岸の埋め立て地が中心で、

前述した谷や川に関連した場所はいずれも被害をうけることなく済んでいます。

これは川や沢といった地名は埋め立てられていることがあまりなく、砂や浜といった

海を埋め立てた地域とは地盤自体が異なるということが、液状化しなかった主な

理由です。むしろ川や谷がつく地名において注意すべきは大雨等による河川の

氾濫の影響ということになります。

河川の名残が見えるこうした地名の地域では治水対策がきちんとなされているか

どうかということの確認が必要です。たとえば渋谷駅は、2006年に貯留量4000

立方メートルの能力をもつ貯留管を地下に設置することで、10年に一度の大雨が

ふっても水没しないような取組をするなど、浸水対策など実施しています。そのため

以前に比べて水被害がすくなくなったようです。

不動産購入では地震のリスクだけでなく、こうした水害被害についても理解しておく

ことは必要でしょう。

ポイントはどの地域にはどのようなリスクが存在していて、そのための対策をどうし

ているのかということを理解するということが重要です。

国交省のHPにて、各地域の洪水、内水、津波のハザードマップが一覧できる

サイトが公開されていますので、不動産検討時の参考にしてみるのはいかがでしょうか。

http://disapotal.gsi.go.jp/index.html

 

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