- 吉野 充巨
- オフィスマイエフ・ピー 代表
- 東京都
- ファイナンシャルプランナー
対象:お金と資産の運用
昨日は、金の値動きと為替の関係について、ご紹介しました。
今回は金価格の変動要素をご紹介します。
昨日、日本円で表示した金の価格は1980年が最高値の年とご紹介しました。田中貴金属工業株式会社の年間平均小売価格は4,499円でした。
では、当時のロンドン金価格(米ドル/トロイオンス)は幾らかと言いますと、年平均で612.13ドルです。皆さまもご承知の通り、米国はその後現在までの間、インフレでした。米国のインフレ率は、その間2~5%程度で推移しています。では、金価格へのインフレ率の影響はどの位でしょう。
1980年~2010年は30年あります。
3%平均であれば、243%になり、1,485.80ドルです
4%平均の場合は約337%で2,064.78ドル
5%平均では約454%になりますので2,777.87ドルになります。
ロンドンの金価格2010年の年平均は1225.60ドルでしたので、インフレ調整を行うと減価したことになります。
ただし、基準年を1981年にすると、平均は459.87ドルでしたから、インフレ率3%の場合は、2010年で1,104.92ドルですから、インフレ調整後で約10.9%価値が増加したことになります。
何時を基準年にするのか、インフレ率が幾らなのかで、このように変わりますから、金はインフレに有利とは言い切ることが出来ません。
ただ、ドル換算ではインフレの進行に伴い、連動して金価格も上昇していますので、価格変動が有り、有利不利は購入時の価格によることを前提として、円安に備える商品としての価値はあると思われます。
一方、1980年と1981年では何故金の価格は下落したのでしょうか。
実は1980年は第二次石油ショック発生の翌年で、原油価格急騰の影響で商品価格が上がった年でした、そして、原油価格が下落するとともに、金の価格も下落しています。
1973年の第一次石油ショックの際にも翌年に高値を付け、翌々年に価格が低下しています。
その後も、1991年の湾岸戦争前後、1986年のレーガン大統領によるリビア制裁の宣言、そして2004年以降の原油価格の上昇とともに金の価格が上昇しています。
ただ、現在では、中国やインド(世界最大の輸入国)の中間所得層の増加で実需が伸びていますし、各国中央銀行も議事通貨としての金の積み増しを行っています。
このようにみると、インフレ対応の商品では無く、通常の商品市場と同じように需給と環境に左右される商品の一つと考えます。
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文責
ファイナンシャル・プランナー 日本FP協会認定CFP(R)
ロングステイ財団登録ロングステイアドバイサー
宅地建物取引主任者
独立系顧問料制アドバイザー 吉 野 充 巨
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