日本海にほど近い地域なので、季節を通して比較的風が強く、夏は過ごし易く気持ちがいい毎日です。
でも冬は、雪こそ少ないのですが、体感気温の低い厳しい日々が続きます。
ですから北国では、開口部が小さく、壁の断熱性能に期待するために開放的な住宅は難しいのです。
この能代の敷地で我々の出した答は、リビングや食堂を含め、台所、寝室、水周り、生活の主要素の空間をすべて2階に集約し、日常生活が2階だけで行えるようにしました。
そして1階には、駐車場や町内会で近所の人が集まり易いような和室など使用頻度の少ない部屋で構成しています。
1階には雪対策と防犯を兼ね、窓がありません。
2階は、東西南北、建物の四周に開口部をまわしました。
次回の「能代の住宅」では、プランと1階へのひかりと風の導き方を説明いたします。
このコラムの執筆専門家
- 納谷 学
- (神奈川県 / 建築家)
- 納谷建築設計事務所 主宰
家は住む人のもの。芸術でも、敷居の高いものでもありません
日本の街並み、住環境を豊かな空間に変えたい。建築が出しゃばることなく住む人のための住宅を提案したい。皆さんの家への願いを最短かつ最適に適えたい。だから僕らに遠慮なく何でも話してください。住宅はあなたのものなのですから。※僕が納谷兄弟の兄です
044-411-7934
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