私的整理ガイドライン - 事業再生と承継・M&A全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
弁護士

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対象:事業再生と承継・M&A

渕本 吉貴
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(起業・資金調達・事業再生コンサルタント)
村田 英幸
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(弁護士)
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閲覧数順 2017年02月27日更新

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私的整理ガイドライン

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  1. 法人・ビジネス
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私的整理は、その手続に対する信頼性が低いという問題があります。

 私的整理を法的整理に準じる信頼性のある手続とすべく、再生を目的とした私的整理に関して、金融界、産業界、学識経験者で構成する「私的整理に関するガイドライン研究会」により制定された私的整理ガイドラインというものがあり、この手続にしたがい、私的整理を行うことが考えられます。私的整理ガイドラインの対象となりうるのは、以下の要件を備えた企業とされています。

(ⅰ)過剰債務を主因として経営困難な状況に陥っており、自力による再建が困難であること

(ⅱ)事業価値があり(技術・ブランド・商圏・人材等の事業基盤があり、その事業に収益性や将来性があること)、重要な事業部門で営業利益を計上している等債権者の支援により再建の可能性があること

(ⅲ)会社更生法や民事再生法等の法的整理を申し立てることにより当該債務者の信用力が低下し、事業価値が著しく毀損される等、事業再建に支障が生じるおそれがあること

(ⅳ)私的整理により再建するときは、破産的清算はもとより、会社更生法や民事再生法等の手続によるよりも多い回収を得られる見込みが確実である等、債権者にとっても経済的な合理性が期待できること

 より具体的には、過剰な設備投資等を実施したために、有利子負債がその企業規模に比べ著しく大きく、債務に直接的な働きかけをしなければ、自力で再建できない企業である一方、健全な事業部門を抱え、不採算部門からの撤退と過剰融資の除去を行えば、事業の再建が可能な企業等が対象となることが考えられます(「私的整理に関するガイドラインQ&A」より)。

 ただし、再建計画案は次の内容を含むものでなければなりません。

(ⅰ)事業計画案

事業計画は債務者の自助努力が十分に反映されたものであるとともに、以下の事項を含む内容を記載することを原則とする。

・経営が困難になった原因

・事業再構築計画の具体的内容(経営困難に陥った原因の除去を含む)

・新資本の投入による支援や債務の株式化(デットエクイティスワップ)

 等を含む自己資本の増強策

・資産・負債・損益の今後の見通し(10 年間程度)

・資金調達計画

・債務弁済計画等

(ⅱ)実質的に債務超過であるときは、再建計画成立後に最初に到来する事業年度開始の日から3 年以内を目処に実質的な債務超過を解消することを内容とする。

(ⅲ)経常利益が赤字であるときは、再建計画成立後に最初に到来する事業年度開始の日から3 年以内を目処に黒字に転換することを内容とする。

(ⅳ)対象債権者の債権放棄を受けるときは、支配株主の権利を消滅させることはもとより、減増資により既存株主の割合的地位を減少または消滅させることを原則とする。

(ⅴ)対象債権者の債権放棄を受けるときは、債権放棄を受ける企業の経営者は退任することを原則とする。

(ⅵ)再建計画案における権利関係の調整は、債権者間で平等であることを旨とし、債権者間の負担割合については、衡平性の観点から、個別に検討する。

(ⅶ)破産的清算や会社更生法や民事再生法等の再建手続によるよりも多い回収を得られる見込みが確実である等、対象債権者にとって経済的な合理性が期待できることを内容とする。

 なお、この私的整理ガイドラインに準じた手続によることで、債権者の信頼を得ることができます。実際にも、私的整理ガイドラインの手続が厳格なため、中小企業においては、私的整理ガイドラインに準じた手続で、私的整理を行うことが多いと思われます。

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