当院を訪れる患者さんにも、パソコン作業が原因と思われる症状が多数見受けられます。肩こり、腰痛、頭痛、眼の疲れ、倦怠感、足のむくみ、冷え症、不安感、抑うつ症状など、医療業界ではVDT症候群といわれています。
今月から連載のコラムとして、このVDT症候群にスポットを当てて、症状と東洋医学、特に鍼灸についてのお話をしていきたいと思います。
初回はVDT症候群の概要についてお話していきます。
VDTとは、Visual Display Terminalの略で、パソコンのディスプレイなどの表示機器のことです。そしてパソコンの画面を長時間見る作業をした人がかかえる症状を総称して、VDT症候群というのです。別名テクノストレスとも言いますが、コンピュータ作業に特有の症状なのです。
みなさんもパソコンを長時間見ることがあると思います。その時のことを思い出して見て下さい。まばたきの回数が少なくなっていませんか? 肩や首を全く動かさない時間が何時間もありませんか? ずっと座りっぱなしではないですか? 人と話す回数が減っていませんか? そのような状況になりやすいのがパソコン作業です。
これらが原因で様々な症状が出てきます。
これらの症状には適度な休息が非常に大切です。理想は1時間に10分程度の休息といわれていますが、なかなか実現するのは難しいと思うので、昼休みや帰宅後に肩関節を回す運動や、両手を上で組んで、伸びをする姿勢を何回かやるだけでも、非常に効果的があります。
治療としては鍼灸が非常に効果的です。一回の治療で、多くの場合肩こりが半分以下になり、数ヶ月続けることで、コリにくい体になってきます。
実際の症状と予防法、鍼灸治療については、今後連載していきたいと思います。ご期待下さい!