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閲覧数順 2016年12月03日更新

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「英語の音の出し方を教えることは間違った教授法?」

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英語学習方法

「音の出し方を教えることは間違った教授法では?」という質問への答えです。
科学的根拠と画像を掲載するために「コラム」で解答致します。

A language is a set of rules for combining elements that are inherently meaningless into utterances that convey meanings (Wade, Tavris, Saucier & Elias, 2005). 「固有では意味のない要素を規則に従い組み合わせると、不思議不思議、意味を持った発声が出来る。」  これは「言語の定義」です。 

音の一番小さな要素 phoneme、ここから言語は始まります。  そこから、リズム、ストレス、イントネーションに進みます。  授業ビデオでは、単にR,Lを連呼しているだけではなく、他の音と組み合わせ、意味のあるChantsでリズム、ストレス、イントネーション練習をしている様子もご覧になれる思います。 

私の教授法の科学的根拠は下記の通りです。 
日本人の脳には、英語のPhonemeのみならず、リズム、ストレス、イントネーションを英語として理解するNeural Presentation が存在していません。 お互い激論ばかりしている言語科学者の中でも、「日本人はRとLが認識出来ない」には全員一致で定説となっており、過去50年以上人気のリサーチテーマです (Goto, 1971; Mann, 1986; McClelland, Fiez & McCandliss, 2002; McCandliss, Fiez, Protopapas, Conway & McClelland, 2002; Iverson, Hazan & Banister, 2005)。 

一連の証拠が結論づけているのは、「日本人の脳には構造上英語の音を理解する部位が存在しない」ということです。 理解する部位がないということは? 耳から入ってくる音(リズムもイントネーションもしかり)は、仕方なく日本語音声を理解する部位に入り、自動的に、英語の音を日本語の音に変えて理解してしまいます ((McCandliss et al., 2002; Iverson et al., 2005)。 日本人の脳の中で迷子の英語のRやLは日本語の中で都合のいいラ行の音(an apical-alveolar tap)に置き換えられてしまいます(McClelland et al., 2002; McCandliss et al., 2002; Iverson et al., 2005)。 何年英語の勉強をしても、きちんと英語の発音が出来ないのはこのためです。 日本語音声で英語のマネですから。

MRIなどを使ったBrain imaging studies からも証拠がぞろぞろ。 日本語は一音一音同じ拍数を持つ"mora-timed language” と言われます。 英語はまったく異なる"stress-timed language“で、phoneme の長さが常に変化します。 日本人の脳にはその"mora-timed language”しか理解できない特別のNeural Pattern があることもわかりました (Minagawa-Kawai, Mori & Sato, 2005)。 

とすると、日本人の脳に英語の音を認識するNeural Patternを作るしか方法がないことになります。 Good News! それも可能なことが研究結果で明らかになっています (McCandliss et al., 2002; Iverson et al., 2005; Hirata & Kelly, 2010)。 コンピュータープログラムでひたすらRとLの音の聞き分けを訓練することで、脳のパターンがある程度変わったのです。 

それら、科学的証拠と、私自身の経験、研究を総合したのが「絶対出来る英語の発音授業」です。 脳に新しい英語Neural Networkを作るために脳に学習させます。 (脳のイメージを見て下さい。)(Pinel, 2007)

1. Rを出すための正しい発声器官の使いかた特訓
2. そのRがAuditory Cortex(音を認識する部分) からWernicke’s area(言語を認識する部分)へ
3. Rの音はBroca’s area(言語の発声を命令する部分)へ。 (脳はこのあたりから「あれ?妙な音が入ってきたぞ?」
4. Rが今度はMotor Cortex(発声器官など身体の動きを命令する部分)へ。  ここで、日本人の脳は英語のRが日本語とはまったく異なる発声器官を使うんだと学習します。
5. 次にRを自発的に出すときに、脳のMotor Cortexは以前の記憶を使い、正しい発声器官を使う命令を出し始めます。 つまり、やっと正しいRの音を出すことが出来るわけです。
6. ただし、一回や2回では脳にネットワークは出来ません。 何度も何度も、筋肉トレーニングをするような訓練が必要です。 そして、Rだけを連呼するわけではなく、他の英語の音とのつなぎ方も脳に学習させる訓練が必須です。 
       *これが公開中の「発音授業」の基礎になっている科学です。

単体としてのPhoneme練習なしには、日本人の脳が英語のリズム、ストレス、イントネーションを覚えることは不可能だと考えます。 

References:

Goto, H. (1971). Auditory perception by normal Japanese adults of the sounds “L” and “R”. Neuropsychologia, 9, 317-323.

Hirata, Y., Kelly, S. D. 2010. Effects of lips and hands on auditory learning of second-language speech sounds. Journal of Speech, Language, and Hearing Research, 53, 298-310.

Iverson, P., Hazan, V., & Banister, K. (2005). Phonetic training with acoustic cue manipulations:A comparison of methods for teaching English |r|-|l| to Japanese adults. Acoustical Society ofAmerica, 118(5), 3267-3278

Mann,V. A. (1986). Distinguishing universal and language-dependent levels of speech perception:Evidence from Japanese listeners’ perception of English “l” and “r”. Cognition, 24, 169-196

McCandliss, B. D., Fiez, J. A., Protopapas, A., Conway, M., & McClelland. (2002). Success and failure in teaching the [r]-[l] contrast to Japanese adults: Tests of a Hebbian model of plasticity and stabilization in spoken language perception. Cognitive, Affective, & Behavioural Neuroscience, 2 (2), 89-108

McClelland, J. L., Fiez, J. A., & McCandliss, B. D. (2002). Teaching the |r|-|l| discrimination to Japanese adults: behavioural and neural aspects. Physiology & Behavior, 77, 657-662

Minagawa-Kawai, Y., Mori, K. & Sato, Y. (2005). Different brain strategies underlie the categorical perception of foreign language and native phonemes. Journal of Cognitive Neuroscience, 17:9, 1376-1385.

Pinel, J. P. J. (2007). Biopsychology 6th edition: Pearson Education Inc.

Wade, C., Travis, C., Saucier, D. & Elias, L. (2005), Psychology Canadian edition, Pearson Education Inc.

 

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