- 小松 俊明
- リクルーターズ株式会社 経営コンサルタント (専門/人材ビジネス)
- 東京都
- 経営コンサルタント
対象:労働問題・仕事の法律
試用期間ってなんだ?と毎回思わされます。面接だけでは十分相手のことがわからないから、まずは一定の期間、試しに雇用しようということなのでしょうが、これがいろいろな誤解を生んでいます。
試用期間だから気軽に社員を解雇していいのかというと、当然そんなことはありません。ただし、そのように経営者が誤解しているケースは多いようです。試用期間であっても、やはり解雇するに足る理由が必要なことには変わりないのです。
ちなみに裁判の事例で試用期間中の解雇が認められたケースは、次のようなケースに集約されています。
本採用拒否の正当な事由
- 出勤率不良: 出勤率が90%に満たない場合や3回以上無断欠勤した場合
- 勤務態度や接客態度が悪く、上司から注意を受けても改善されなかった場合
- 協調性を欠く言動から、従業員としての不適格性がうかがえる場合
- 経歴詐称
しかしこうしてみてみると上の理由は、結構主観的です。だからトラブルが絶えないのです。
一方、次のような話を知り合いのリクルーターから聞いたことがあります。
ある会社で働くビジネスマンが言うには、自分は試用期間中の身で何があるかわからないので、転職活動は試用期間終了までは続けたい、、というのです。その方、ちなみに過去に試用期間中に解雇になり、会社ともめた経験をお持ちだったそうです。
う~ん、考えさせられますね。
普通に考えれば、試用期間中とはいっても、本人がちゃんと会社に貢献すれば、会社から解雇されるようなことは考えにくいですが、もし経営者が本当に試しに採用している感覚で、試用期間中なら気軽に解雇できると誤解しているような人だったら…
日本は解雇がしにくい法律があるとはいっても、今の時代、実質的にはリストラが盛んに行われているわけですから、試用期間の位置づけは何とも悩ましいものです。
キャリアの悩みをお持ちの方は、弊社がご提供するキャリアコーチングやキャリアメール相談をご活用頂くのも一つの方法ですので、ご参考までにお知らせします。
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