第3章 苦い後味  - 民事事件 - 専門家プロファイル

羽柴 駿
番町法律事務所 
東京都
弁護士

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対象:民事家事・生活トラブル

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閲覧数順 2016年12月02日更新

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第3章 苦い後味 

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  1. 暮らしと法律
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  3. 民事事件
連載「刑事法廷」
ケース1 ある恐喝事件

第1回

 前回までは、私が刑事弁護人としてそれなりに成果を上げることができた事件を紹介してきました。しかし、刑事事件の大多数は有罪判決で終わります。今回からは私が弁護人を担当したそんな事件の中でも、苦い後味が残ったものを紹介します。
 まずはある恐喝事件を紹介したいと思います。この事件は私が国選弁護人として担当したものです。起訴状に目を通すと、被告人であるHが、路上で被害者Kに対してお金を貸してくれと頼んだが断られたので、これに暴行を加えて現金2万3千円を恐喝したという内容でした。
 国選弁護人として選任されて数日後、私は勾留されているHに接見に行きました。Hは、自分は一切そのようなことはやっていない、犯行のあったとされる午後2時ころに自分が部屋にいた事は内縁の妻Tも一緒にいたから知っている、と訴えてきました。
 Hの住まいは山谷のドヤ街にある小さな旅館の一室でした。Hに接見してから数日後、私はこの旅館を訪れて妻Tに話を聞きました。それによると、Hは事件当日の朝は出かけていたが、昼前に帰宅してからは妻Tと一緒に部屋にいて高校野球をテレビで見ており、犯行のあった午後2時ころは夫婦ともに部屋にいた、ということでした。またHは午後0時頃に5分から10分程度外出したそうですが、旅館の前の路上にいた風呂修理業者と話をしていただけで、妻Tも2階の窓から顔を出してHと話をしたとのことでした。

                  (次回につづく)