フランス菓子、古典の再構築 第2弾 - 洋菓子・和菓子 - 専門家プロファイル

塚本 有紀
フランス料理・製菓教室「アトリエ・イグレック」 主宰
大阪府
料理講師

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対象:料理・クッキング

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塚本 有紀
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閲覧数順 2016年12月05日更新

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フランス菓子、古典の再構築 第2弾

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前回に引き続き。

最近のパリでは、古典菓子の再構築という流れにあるようです。つまりもともとある伝統のお菓子を、現代的な軽さ、甘さ、洗練加減に、新しい感覚で置き換えること。高い技術、美しい飾り付け、複雑な組み合わせの生み出すおいしさなどなど、フランス菓子は行くところまで行ってしまった感があり、やはり戻るべきは土台となる古典ということなのかもしれません。

まずは老舗のサロン・ド・テ、カレットCaretteからご紹介します。

Carette

4 place du Trocadero

http://www.carette-paris.com/fr/

タルト・タタンを買ってみました。タタンといえば、じっくり火を入れてキャラメル色になったりんごを使った伝統のお菓子。ところがこれはあっさり火入れした丸ごとのりんごのスライスが段上に積み上がり、芯の部分には塩キャラメルのバタークリームが詰まっています。底には分厚いサブレ生地、上はシナモンの風味のあるシャンティで、なんとも現代的な味わいです。かつ緻密に計算された組み合わせ。たぶんりんごのレネットをキャラメルと一緒にまるごと真空調理してあるのではないかと思います。 伝統のお菓子の現代的再構築とは、なるほどこうするのだ! と感心してしまいました。このスタイルのお菓子は何もカレットだけでなく、もう少し前にすでに他のパティスリーでもあったと聞きましたが、ビジュアルもじつに素敵でした。よい写真がないので、授業で再現してみたほうのタルト・タタン再構築をご披露します。

 

さて前回に引き続きジャック・ジュナンのサン・トノレです。

Jacques Genin

133 rue de Turrenne 3e

サン・トノレSaint-honoréは円形のタルト生地の上にシュー生地を絞って焼き、その周囲にキャラメルがけした小さいシューを並べ、中心にクリームを絞ったものです。昔はクリームはシブーストクリームでしたが、今はだいたいにおいてシャンティ(泡立てた生クリーム)です。

これがジャック・ジュナンでは、長方形の一人用に作られ、3つの小さいシューが並びます。一つはカスタードクリームの入ったシューで、キャラメルがけ。1つはチョコのカスタード入りにチョコのキャラメル。キャラメルのカスタード入りにキャラメルソースのキャラメルがけ。傍らには薄くのばしたカスタードの上にごく軽い生クリームを泡立てたものが絞られています。 下のパイ生地ははらっとして薄く、さくっと歯が入る感じ。塩味もしっかりでおいしいものです。パーツはそれぞれがきちんとおいしく、かつ基本に忠実でありながら、現代的な軽さを実現しています。突拍子もない目新しさはありません。なんだかほっとします。トータルで食べてとてもおいしく、計算し尽くされた設計という感じなのです。

軽さ。奇をてらわないおいしさ。全体のバランス。そんなキーワードを胸に、私もお菓子を作っていこうと改めて思います。

 

ところでかなり前から、駄菓子の再構築(?)とも言える、お遊びがずっと流行っています。たとえばカランバーという国民のお菓子があります。チョコレート味のキャラメルバーなのですが、これを敢えて星のつくようなレストランのシェフがデザートの皿に再現してみたり、MOF(フランス最優秀職人賞)のタイトルを持つシェフが自分のお菓子に使ってみたり。子供時代の楽しい思い出が、なんとも郷愁を誘うのでしょうか。詳しくはブログをご覧ください。

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