- 塚本 有紀
- フランス料理・製菓教室「アトリエ・イグレック」 主宰
- 大阪府
- 料理講師
対象:料理・クッキング
- 黄 惠子
- (料理講師)
10月18日19日
料理基礎講座にて
エスカルゴの殻
今月の前菜はエスカルゴのブルゴーニュ風Escargots a la bourguignons
を作ります。
フランスのエスカルゴは日本のかたつむりとはちょっと違った見かけ。
陸上の貝といった風情です。
中身も貝のようですが、美しいものでもないので、写真は割愛。
エスカルゴは(他にも種類がありますが)、ブルゴーニュ種がもっとも上等とされています。柔らかいのです。
ブルゴーニュ種は養殖ができないらしく、採取のみ。というわけで生産高はとても少ないようです。
いつかブルゴーニュに滞在して、ぶどう畑のぶどうの葉っぱを食べたカタツムリを採取し、これでブルゴーニュ風を作れたらなあ、などと夢想しています。
でもじつはそれは大変な作業です。ラルース料理事典によると、10日も絶食させたあとに、塩と酢をかけて重しをし、粘液を出させます。その後茹でて殻からだし、さらにこれをクールブイヨンで10分煮るのだそう!
でもやってみたい。
エスカルゴ・バターbeurre d'escargotsを作ります。パセリ、にんにく、塩、胡椒、エシャロット、コニャック、レモン汁などたくさん混ぜます。
身とともに殻に詰め、エスカルゴチエールescargotiereに。エスカルゴ専用の器です。
エスカルゴはダースが単位になっているので、1/2ダースの6個、あるいは12個のくぼみがあります。
オーヴンにいれて、7-8分。ふつふつとバターが沸いてきたら、熱々を出します。
おいしくできた日は、パンがどんどん減っていきます。
一人分のバターの量を知るとちょっと引きますが、それでもそのおいしさと香りにはあらがえません。
エスカルゴ専用のはさみpince a escargots(左
端)でつかみ、2股の専用フォーク(隠れて見えません・・)でいただきます。
前後してしまいましたが、本日のアミューズ・ブッシュは
マドレーヌ・サレ、くるみとベーコン
と、振り下ろしりんごを入れたカヴァです。ぐいぐい飲めます。
うずら
フランスのうずらは食用に飼育されたもので、とても柔らかくて、うずら独特の味があります。
しかし困るなあと思うのは、なぜか肢体がなまめかしいこと。
今日の整列の仕方は、なおいっそう、そんな感じ。
うずらのロースト、きのこのソースcaille roti sauce champignons
あっ、うっかりと足をくくるのを忘れてしまいました・・。だらしない!
うずらはよくベーコンを巻いてからローストにします。よい香りが移るのと同時に、脂を補い、ぱさつきを防ぎます。
さてデザートは洋梨を使います。
洋梨のベレレーヌ poires belle-Helene
「麗しのエレーヌ」という名前のオペレッタが初演で大成功をおさめたことに敬意を表して、こんな題名がつけられたのだそうです。
洋梨のコンポート、ヴァニラアイスクリーム、温かいチョコレートソースで構成されます。
クラシックで伝統的なデザートですが、永遠の定番。
少し姿を変えたり、再構築して、今も繰り返しお菓子にデザートにと登場します。
今年は、というより今年も、なかなか洋梨が追熟してくれず、残念な思いでした。
教室を始めた頃は9月でもすでにラ・フランスが使えたのに、ここ何年もやきもきしながら第一陣のを買っても、追熟が間に合わないのです。夏が長すぎるのでしょうか。
フランスでは、ウイリアム種を使います。今頃、パリのマルシェにでているかもしれません!
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