- 杉浦 繁
- Atelier繁建築設計事務所 代表
- 愛知県
- 建築家
対象:住宅設計・構造
建物を建てることは、我々にとっては日常です。
ところが、建物を建てることは、通常それを商売にしている人以外の人にとっては、それこそ一生に一度あるかないかの大事です。
このギャップが、ある人から見れば我々に対し、安心感を覚え、ある人から見れば、逆に不安感を誘います。
なにしろ扱う金額が違いますから。ちょっと大きい建物になると 何億円 なんてお金の話があたりまえのようにポンポン飛び交います。
はっきり言って、・・
そんな金額のお金私見たこともありません・・・・
が、話だけはポンポンします。 はい。
ゼネコンさんから見積もりが来ました。予定金額は1億円ですが、1億2千万円で出てきました。
「ちょっと高いですね、大丈夫ですよ、VEを、仕様変更を少ししましょうか・・・・・」・
大丈夫って言う金額が差額 2千万円 ・・・・・・・・。
2千万円と言えば、普通のサラリーマンの年収の約3倍です。3年分の給料が・・・・。
本当に大丈夫なんだろうか?
実際、予定金額から1~2割くらいまでは、想定の範囲内なので、たいていは大丈夫なんですが、我々の方はそういったことに慣れきってしまっていて、当たり前のように対処してしまいます。
しかし、お客さんにしてみれば、初めての事で、そんなとんでもない金額では・・・・・・、当然不安です。
こういった、ギャップに対するコミュニケーション不足は時には致命的になってしまうこともありますから、やはり、お客さんの不安をあおるようなことは厳禁で、きっちりと 信頼関係 を作り上げることは本当に大事です。
ところで、大抵は、こういうでかい金額の話はしょっちゅうしてますが、その話をしている当の本人達は悲しいことにかなり貧乏です。
そんな大金実際には、見たことも手にしたことも、当然持ってたこともありません・・・・。
建築というものの現場組織は三角形のピラミッドで成り立っています。我々建築士の下にゼネコン、その下に各業者、その下に各下請け・メーカー、その下に職人・・・・という具合に。
しかし!儲かる金額というものは 逆三角形! 職人さんのほうが金は儲かる!
わたしゃー金儲けたいんならクレーンのオペレーターか鳶をやるね、もちろん腕次第ですけど。
この商売をやってて大金持ちがいたらそれはもぐりです・・・、なんてことはないか・・・。
好きでなければ出来ないことだけは確かです。
アトリエ繁建築設計事務所HP
http://homepage3.nifty.com/ateliershigeru/
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