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河野 英仁
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米国特許判例紹介:KSR 最高裁判決後の自明性判断基準(第12回)

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米国特許判例紹介:KSR 最高裁判決後の自明性判断基準(第12回) 

~2010KSR ガイドライン~ 

河野特許事務所 2011年1月18日 執筆者:弁理士  河野 英仁

 

 その他の先行技術は以下の2つである。
第2先行技術 U.S. Patent No.4,048,746(以下、Dye特許)
第3先行技術 U.S. Patent No.4,200,809(以下、Madsen特許)
 Dye特許はネズミ等の小動物を駆除するための装置を開示している。参考図22はDye特許の装置概要を示す説明図である。小動物32が2つの分離した接触点13,14に触れた場合に、小動物が抵抗となって内部回路が高電圧発生器を作動させ、接触点13,14に高電圧が供給される。

 

参考図22 Dye特許の装置概要を示す説明図
 Madsen特許は、小動物を対象とするものではないが、2つの電極が露出した牛追い棒を開示している。主引例である第1先行技術に、Dye特許またはMadsen特許を組み合わせて、636特許の構成とすることが、自明か否かが争点となった。
(vi)CAFCの判断

予期できる効果以上のものでない限り、公知の方法に関連するありふれた要素の組み合わせは、自明である。
 第1先行技術と636特許とは、高電圧発生器を起動するためのスイッチの形式が相違するにすぎない。636特許は、第1先行技術に採用された機械的な圧力スイッチを単に電気的なスイッチに置き換えたものである。Dye特許及びMadsen特許に記載されているように、高電圧発生器を動作させるためのスイッチとして動物の体を使用することは公知の技術である。また、636特許と同じく、Dye特許及びMadsen特許中には、機械的スイッチが埃及び湿気等により誤作動する問題があることから、電気的なスイッチを採用するとの記載もあった。
 原告は本件特許に係る駆除装置の商業的成功、及び、当該駆除装置分野における長期間未解決であった必要性(long felt need)等の二次的考察に係る証拠を提出した。

 しかしながら、CAFCはこれらの二次的考察に係る証拠を考慮したとしても、第1先行技術及びDye特許等の存在、及び、636特許が先行技術に対して予期せぬ効果を奏するとはいえないことから、強力な一応の自明性(prima facie case of obviousness)を覆すことはできないと判示した。
(v)まとめ

 CAFCは、本事件は組み合わせによる自明性判断に関する教科書的事例であると述べている。客観的な二次的考察に係る証拠が存在する場合でも、強力な一応の自明性を覆すことはできない。

(4) Muniauction事件[1]

(i)判決骨子:インターネット及びWebブラウザは、情報の伝達及び表示に関する一般的な技術であるので、これらの機能のために、既存のプロセスにインターネット及びWebブラウザを適用することは自明である。

(ii)背景

 Muniauction(以下、原告)はU.S. Patent No. 6,161,099(以下、099特許)の特許権者である。099特許はインターネットを通じた地方債のオークション技術に関する。特に099特許はネットワーク、例えばブラウザを用いた「初期発行人地方債オークションoriginal issuer municipal bond auction」に関する。参考図23は099特許の代表図である。

参考図23 099特許の代表図

 


[1] Muniauction, Inc. v. Thomson Corp., 532 F.3d 1318 (Fed. Cir. 2008)

 

                                  (第13回へ続く)

 
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