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岡崎 謙二
岡崎 謙二
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閲覧数順 2016年12月07日更新

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入院したら1日あたり20,100円って本当か!?

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保険料節約のポイント

 最近の医療保険のCM等では「入院したら1日あたり20,100円の自己負担が発生」という謳い文句をよく見かける。この20,100円という数字は生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」(平成19年度)によるもので、多くの医療保険のパンフレットなども記載されている。しかし、実はこの20,100円という数字には高額療養費による払い戻し金が含まれておらず、そのため病気やケガをした時にかかる実際の自己負担費用とは異なっていることをご存知だろうか。

 ■高額療養費とは

 高額療養費制度とは病院などの窓口で支払う医療費を一定以下にとどめる目的で支給される制度で、1ヶ月間(同一月)に同一の医療機関でかかった医療費用を、世帯単位で合算し、下記の自己負担限度額を超えた分について支給される。

<高額療養費算定基準額(=自己負担額)>

 

世帯合算

上位所得者

150,000円+(医療費-500,000円)×1%

一般

80,100円+(医療費-267,000円)×1%

低所得者

35,400円

※上位所得者の基準は標準報酬月額53万以上

※低所得者は市町村民税非課税者等

例えば一般世帯に該当する方が、1ヶ月60万円の医療費が発生したとしても、83,430円の支払いで済むのである。

◆計算式:80,100円+(600,000円-267,000円)×1%=83,430円

 従来の制度では70歳未満の被保険者は一旦3割の一部負担金を窓口で支払い、その後に加入している健康保険の保険者に高額療養費の申請を行い、数ヵ月後に給付を受ける形が採用されていた。しかし、平成19年4月の制度改正により、事前に申請を行えば、窓口での支払いを自己負担限度額のみの支払いとすることが容易にできるようになった。

 

■高額療養費の対象にならない費用

 もちろん高額療養費制度の対象とならない費用負担も一部存在する。入院時食事療養費(1食あたり260円)は高額療養費制度の対象外で、差額ベット代や先進医療の費用なども対象にならない。しかし、1食あたり260円程度は日常生活においてもかかるもので、入院したからといって特別に発生する費用負担ではないと思われる。

また、自らの希望で個室等に入らない限り、たとえ治療の必要性で個室等に入ることになったとしても、差額ベット代の費用負担はしなくてもいい。先進医療においては年間の実施件数が数千件程度で、受診する可能性が相当低い。

 

■多数該当世帯の負担軽減措置

 医療費用負担が長期間にわたる場合には「多数該当」に該当し、さらに自己負担費用は少なくなる。

「多数該当」とは、同一世帯で以前12ヶ月以内にすでに3回以上高額療養費が支給されている場合に、自己負担の上限を一般世帯で44,400円(上位所得者は83,400円、低所得者は24,600円)というように下げて、長期の医療費負担を軽減する仕組みである。

多数該当のほかにも、人工透析をしている方や、血友病・AIDS患者などはさらに自己負担が少なくなる仕組みが存在する。

 

■年間所得300万以下は自己負担引き下げを検討中

 現在政府では70歳未満で年間所得300万以下の自己負担額上限を、約4万円に引き下げる方向で検討している。11月の社会保障審議会で諮り、早ければ2011年度から実施したいとしている。実施されれば対象者は約3000万人になり、ますます医療費負担のリスクは低くなる。

 

 このように国民の医療費負担が多大にならないよう、高額療養費というセーフティーネットが整備されているにもかかわらず、保険業界は実態以上に高額の自己負担額が発生するように宣伝し、消費者の不安を煽っているような気がしてならない。

 医療保険は加入しないで貯蓄で備えるという選択があっていいし、また一方で、不安解消や将来の社会保障制度改正に備えて医療保険に加入しておくという選択をしてもいい。どちらの選択をするにしても1日あたりの自己負担20,100円という数字は実態と違うことを知り、適切な選択をしてもらいたいものです。

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