レクリエーション費用の会社負担 - 経済的利益と給与課税 - - 法人税 - 専門家プロファイル

飯田 幸洋
飯田幸洋税理士事務所 所長
東京都
税理士
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レクリエーション費用の会社負担 - 経済的利益と給与課税 -

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外出が気持ちの良い季節になってきました。
秋といえば、芸術やスポーツの秋と連想されるように、
この時期には、旅行や運動会といったレクリエーション行事が
一般的な慣行として行われるようになります。
その費用を会社が負担した場合、税務上、
問題は生じるのでしょうか。

会社は、役員や従業員に給料を払いますが、
それだけではありません。
金銭以外の物品などを無償または低い金額で提供したり、
本来個人が払うべき費用を負担する場合もあります。
ところが、このような給付は、「経済的利益」といわれ、
原則として、会社が通常受け取るべき代金と
役員や従業員から実際に受け取った金額との差額が、
「現物給与」として給与所得の対象となります。
具体的には、
■ 商品などを無償又は低い価額で渡したとき。
■ 土地や建物などを無償又は低い使用料で貸したとき。
■ お金を無利息又は低い利息で貸したとき。
■ 貸付金などの返済の全部又は一部を免除したとき。
■ 個人的な費用の全部又は一部を負担したとき。
のような場合に該当します。

ただ「経済的利益」があったとしても、
全てが課税されるわけではありません。
■ 課税しないとされるもの。
■ 一定の限度額以内の場合は課税しないもの。
■ 一定の方法によって評価し課税対象額を計算するもの。
など、
所得税基本通達では、36-15から36-50において
(課税しない経済的利益・・・永年勤続者の記念品等)
のように要件とともに規定しています。


では旅行や運動会といった社内親睦を目的とする
レクリエーション行事に参加したらどうなるのでしょうか。

この場合にも経済的利益を受けたことになります。

社会通念上一般的に行われていると認められている範囲で、
会社が主催、全従業員を対象にしていることを前提とします。
この場合、
旅行や運動会といった行事に参加しても、
供与する経済的利益の額が少額の場合は
強いて課税しないという
少額不追及の趣旨を逸脱しないものであると認められ、
役員だけを対象として行事の費用を負担する場合を除き、
課税されることはありません。
ところが、自己都合で参加しなかった人に対し、
そのレクリエーションに係る一人当たりの費用相当額などを
金銭で支給するような場合には、
参加するか、金銭の支給を受けるかの選択ができることになるため、
参加、不参加を問わず、全員に対して、不参加者に対して支給した
金銭の額が給与として課税されることになります。
宿日直者など会社都合による不参加者に対して支給した場合は、
支給を受けた人には給与として課税されますが、
行事に参加した人への課税は生じません。


旅行の場合はどうでしょうか。
(1) 旅行の期間が4泊5日以内。
(2) 旅行に参加した人数が全体の人数の半分以上。
という要件が必要となります。
なお、
(1) 役員だけの旅行
(2) 取引先の接待、供応、慰安等のための旅行
(3) 実質的に私的旅行と認められる旅行
(4) 金銭との選択が可能な旅行
などの場合、
その旅行に係る費用は、
従業員のレクリエーション旅行には該当しないため、
給与、交際費などとして処理する必要があります。

経済的利益の問題は、その他にも
社宅や食事の支給、厚生施設の利用など
いろいろとありますが、
判定もそれぞれ異なりますので、
個別に判断することが重要となります。

 

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