「ツヤ」の話−1 - 住宅設計・構造設計 - 専門家プロファイル

森岡 篤
有限会社パルティータ 代表
建築家

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対象:住宅設計・構造

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「ツヤ」の話−1

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家の話あれこれ
今日は、「ツヤ」の話をしたいと思います。

「ツヤ」は、質感、高級感、品(上品か下品か)に絶大な影響を与えます。

皆さんは、「ツヤ」がある方が高級と思いますか?ない方が高級ですか?
この質問だけでは答えられませんね。
「ツヤ」は、適切に使われた場合は高級感を感じさせますが、使い方をちょっと間違えるととても下品になる、諸刃の刃です。

我々は「ツヤ」に対し、とても繊細に判断することができます。
例えば、人は体調により、皮膚のツヤが微妙に変わりますが、他人がこれを見分けることができるのです。すごい能力です。

宝石や貴金属は、材質特有のツヤ:光沢によって高級感を感じています。「ツヤ」は、質感の大きな要素です。
家電や身の回りの工業製品も、又写真用紙や印刷用紙も、いろいろな段階の「ツヤ」を使い分けています。
よく観察してみると、ツヤがあるのが必ずしも高級感があるとは限らないことがわかります。

優れた漆工芸品で、ツヤがあるけれど、高級感があり、上品なものがあります。
ピアノの塗装でも、ツヤありで、高級感を感じさせるものがあります。
一方、ツヤのある家具などで、とても下品なものを見かけることがあります。
漆工芸品、ピアノ塗装は、手作りか工業製品かの違いはあっても、非常に工程が多く手間をかけている点は共通しています。

逆に「ツヤ」を消した均一な「マット」な質感は、上品に感じられるものです。
かといって、完全にツヤを消してしまうと、みずみずしさや生き生きした感じが消えてしまうことがあります。

「ツヤ」があった方が上品か、高級感があるのか、「ツヤ」がない方がよいのか、「一概に言えない」ところが難しいところです。