米国特許判例紹介:特許権侵害と差止請求権(第1回) - 特許 - 専門家プロファイル

河野 英仁
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米国特許判例紹介:特許権侵害と差止請求権(第1回)

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 米国特許判例紹介:特許権侵害と差止請求権
   〜230億円の損害賠償と永久差し止め〜(第1回) 
   
河野特許事務所 2010年7月13日 執筆者:弁理士  河野 英仁

               i4i Limited Partnership, et al.,
              Plaintiffs- Appellees,
                 v.
               Microsoft Corp.,

              Defendant- Appellant.

1.概要
特許権者は特許権侵害行為に対し米国特許法第283条の規定に基づき、差し止め請求権を行使することができる。米国特許法第283条は永久差し止めに関し、以下のとおり規定している。

「本法に基づく訴訟についての管轄権を有する個々の裁判所は,特許によって保障されている権利についての侵害を防止するため,衡平の原則に従って,その裁判所が合理的であると認める条件に基づいて差止命令を出すことができる。*1

 第283条に「衡平の原則に従って,・・できる」と規定されているように、侵害が認定された場合でも、必ず永久差し止めが認められるということはない。どのような場合に、永久差し止めが認められるかは、2006年のeBay最高裁判決*2により明らかとなった。最高裁は永久差し止めが認められるためには原告が以下の4要件を立証しなければならないと判示した。

(1)回復不可能な損害の存在
(2)損害賠償等の法による救済が不十分であること
(3)両当事者に生ずる不利益のバランス
(4)公共の利益が害されないこと

 本事件では、Microsoft社Wordの一機能であるソフトウェアが特許権を侵害するか否かが問題となった。地裁は特許権侵害を認定し、永久差し止め及び$240million(約230億円)の損害賠償を認めた。Microsoft社はこれを不服としてCAFCへ控訴した。CAFCは、原告がeBay4要件を立証したことから、地裁の判決どおり、永久差し止めを認めた。
                                   (第2回へ続く)

 
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