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２５年前、上棟式で、美味しい料理をやお酒をよばれ祝儀まで頂き、三本締めすることになりました。
『新築工事が事故も無く無事に完成することを祈願すると共に、お施主様ご家族の益々のご繁栄とご健勝とご多幸をお祈りして、皆さん御手を拝借・・・』
『今日はありがとう。保証書を入れといてや・・・』
『はい、完成御引渡の時に、１０年間の保証書をお渡ししますので・・・』
『それは聞いている。さっきあんたが三本締めのときに言うてくれた、我が家が繁栄したり、健康になったり、幸せになる家を造ってくれるやろ。その保証書やで・・・』
謙さんは、逃げるようにして現場を後にしました。
この時の恥ずかしさが、住宅環境科学の研究を始めるきっかけになり、住宅を求める人の目的であるということに気づいたのが、師匠の冨田辰雄環境工学博士に出会った２３年前でした。
建築家・工務店・ハウスメーカーなど家造りを生業とする人たちは多くいますが、住宅を求める目的を明確にして、提案・提供している人はほとんどいません。
住宅は私たちが求めるもので、最も高額なものであり、人生最大の投資です。
欠陥住宅を手にして後悔されない為にもよく研究されることをお奨めします。
