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しかしその必死の努力も空しく、ウイルスの日本上陸を易々と許してしまいました。渡航歴のない高校生への感染が証明されたのを手始めに、阪神地区から始まって今では全国的に大変な広がりを見せており、重症者や死者も多数現れています。
流行は小中学生や高校生など若年者を中心にみられ、高齢者は比較的少ない傾向があり、そのために学級閉鎖や休校などの処置が各地でなされています。また各種イベントの中止が相次ぎ、また人ごみになるべく入らない、医療用のマスクを着用する、などの工夫が奨励されています。
しかしそれでも感染者の数は増加傾向が続き、社会活動への深刻な影響が現れ始めています。当初は指定医療機関に限定されていた新型インフルエンザに対する診療は、一般の病院や診療所でも行なわれており、中核病院や休日診療所などには連日患者が殺到しています。
インフルエンザに対する治療は「タミフル」という内服薬か「リレンザ」という吸入薬のいずれかを用いて行なわれます。これらはインフルエンザウイルスが人体の細胞内で増殖するのを抑制し、ウイルスの活動を封じ込めて治癒させようという治療薬です・・（続く）
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このコラムの執筆専門家
- 吉野 真人
- （東京都 / 医師）
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