キッチンを構成する部材 - 住宅設備全般 - 専門家プロファイル

近藤 壯一郎
台所計画工房 キッチンスペシャリスト
神奈川県
リフォームコーディネーター

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閲覧数順 2024年04月16日更新

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キッチンを構成する部材

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たかがキッチン、されどキッチン キッチンはオーダーメイドが当たり前
キッチン空間を実際に使える「キッチン」にするには前回述べた各ゾーンで、必要になる部材やアイテムを設置していかなければなりません。




まず、キャビネット、これはすべてのゾーンで必要になりますね。



キャビネットには、床に置くベースキャビネット、壁面に吊るすウォールキャビネット、背の高い大型のトールパントリーキャビネットなどがあります。



タイプとしては、開き戸タイプのもの、引出し付のもの、3段、4段など全部引出しのもの、ビルトイン機器を納める専用のものなど、用途によって様々なタイプがあり、オーダーメイドの場合はどれも自由なサイズで製作することができますから、レイアウトに合わせてぴったりなキャビネットを作ってもらいましょう。



ただし、メーカー製のシステムキッチンの場合、キャビネットはそのメーカーの規格で作られ、効率を考えて、すなわち大量生産しやすいように、その種類は基本的なものだけに絞られていることが多いので自由なプランニングは制限されてしまいます。



あ、システムキッチンは使わないのでしたね。失礼しました。







次の部材はワークトップです。これは色々な素材で作れます。



主なものをコストが安い順にあげてみましょう。



まず、メラミン(ラミネート)貼りのもの。木屑を固めて成型したパーティクルボードという板材の表面にエンボス加工(細かい突起を付ける)されたメラミン樹脂シートを圧着させたものが一般的です。水分の染み込みはありませんが、引っかき傷や打痕はつきやすく、角の部分などがはがれたり欠けたりすることがあります。耐熱温度は180゜C〜200゜Cくらいです。





次は、むくの集成材です。オーク、タモなどの木材を小割にして縦横両方向に継いでいって一枚の板にしたものです。表面はウレタン塗装などで仕上げるので一応防水効果はありますが、効果が薄れてきたら塗りなおす必要があるし、熱にも弱い、傷もつきやすいということでキッチンカウンターとしてはあまり向いていないにもかかわらず、ヨーロッパでは人気があります。北米ではButcher Block(肉切り台)として使われたりします。





その次はステンレスのプレス物。シンクまで一体になっています。ステンレスの厚みは0.7mm前後で、表面はヘアライン、エンボス、バイブレーションなどの仕上げになっています。耐水、耐熱とも問題なく、多少荒っぽく使っても大丈夫ということで、キッチンにはよく使われていますが、あまり高級感はありません。



同じステンレスでも、手作りの板金製のものは、1.5mm、2mm、4mm、5mmなどの厚さでも製作できます。とても重厚で見栄えも良いのですが、当然価格は高くなります。





続いて、人工大理石。デュポンのコーリアンが有名ですね。アクリル系樹脂から作られていて、木材のように加工でき、熱で曲げたりもできる(熱可塑性)ので自由な形で作れ、デザインの可能性が広がります。





あとは、天然石。大きく分けて大理石と御影石ですが、大理石は多孔質で水や汚れがしみこみやすく、酸に弱いためキッチンで使うには適していません。御影石の方がいいでしょう。しかし、どちらにしても表面はシーラー(防水)処理しておかなければなりませんし、定期的に処理しなおす必要もあります。





最後は、最近欧米ではトレンドになっているクウォーツカウンターです。アクリル系樹脂の人工大理石と同様に人の手で創られた人工の石のようなものですが、人工大理石は樹脂のみで作られているのに対して、クウォーツカウンターは本物の石の結晶を集め、樹脂で固めて成型したものです。

その成分は石よりも石らしく、多孔質で吸水性が高い、もろく欠けやすいという石の弱点を克服した優れものです。ただ、石と同じで加工性が悪く、切断や穴あけなどは専用の工具が揃った工場でなければできないという問題はあります。





そのほか、タイル貼りのもの、コンクリート造のものなどもよく見られます。





このようにいろいろな種類がありますが、違う素材のワークトップを併用したり、あるものの中に別の素材を埋め込んだりすることも可能なので固定概念にとらわれずプランしてみましょう。