- 深澤 熙之
- 昭和アルミ株式会社
- 埼玉県
- 建築プロデューサー
対象:リフォーム・増改築
- 木下 泰徳
- (アップライフデザイナー)
- 溝部 公寛
- (建築家)
今、日本の住宅はモルタル壁・窯業系サイディング・ALC壁などの外壁材を一枚(一層)だけの構造になっているのが一般的であります。
その外壁材一枚だけで、外からの風雨を守りながら、住宅内部の結露や湿気対策の問題を解決しようという事自体、無理があるようです。
日本の建築基準法では地震の際、二次火災被害から防ぐ為にお隣の住宅が燃えても外壁壁面部分が燃えないように消防法も合わせて、外壁材は耐火仕様になっているのですが、その耐火仕様の素材に火に強い、
モルタル壁・窯業系サイディングなどの外壁材が一般的で、その他ALC版などのセメント系を主成分にした外壁材を使用して住宅が建てられています。
これらセメント系を主とした外壁材は外からの雨水を吸いやすく、また、住宅内部からの湿気や結露の水分を吸いやすく、そういった吸った水分が次に乾燥する時に収縮して、ひびが入りやすく、また、外壁素材によっては反ってきます。
そうなる前に外壁塗装をしなければならないのですが、外壁にひびが入ったり、反ってきてから、ようやく外壁塗装をしなければ、ならないと気がつき、メンテナンスをしている訳ですが、正直そうなってからでは遅いのです。
また、モルタル壁や窯業系サイディング、ALC版の外壁材の内側は防水処理されているものはなく、家の中からの湿気・水分を外壁材の裏より吸ってしまい外壁材を劣化させてしまいます。(住宅内部からくる湿気・結露などの水分に対してメンテナンスができず、無防備の状態ですので外壁材は劣化しやすくなります)
結局、塗装をしても雨水が家の中に漏ってしまい、雨漏りが直らなく、結果的に住宅欠陥住宅の中でそういった雨漏り欠陥住宅の苦情相談がなくならなく、逆に増加しているという統計さえ出ております。
また、仮に、外から雨が入ってこないようにコーキングや外壁塗装をすると家の中に湿気が籠ってしまい、カビ、結露の発生が多くなり家の腐食を速めてしまうという相反する現象にもなっております。
この事から外からの風雨などの雨水及び住宅内部からの湿気、水分を住宅を守る為に外壁材、一枚だけで守ろうとする事自体が無理があり、不可能であります。
やはりそういった、問題を解決するには外壁を二重構造にして、外壁自体に通気層を設け、湿気の流れを作り、住宅内部の湿気、水分、外から入った雨水等の排出ができるような、外壁の構造体にすべきであります。
住宅の外壁は二重構造にして、外壁通気工法にする事が理想であります。