- 村上 春奈
- 村上建築設計室
- 東京都
- 建築家
対象:住宅設計・構造
エアコンの暖かい空気は上方へ上がってしまい、低い所には寒い空気が溜まりがちです。そのため、「吹き抜けのある天井の高い空間は寒い」というイメージもあるかと思いますが、「もみじの家」では床のほぼ全面に床暖房を設置したことにより、足元は暖かく、床暖房の特徴である高さによる温度変化がほとんど生じないリビング空間になりました。
採用した床暖房は、電気料金の安い深夜電力を使用し、夜間、床下に設けられた水の入った袋を温め、蓄熱するタイプのもので、昼間、日光により蓄熱された熱が放熱し終わった頃、床暖房のスイッチが入るという塩梅です。
床暖房の温度自体はそれ程高くありませんが、足元が暖かいとそれだけで体が温まりますし、むしろ熱すぎないので不快ではありません。極寒の日を除き、普段の暖房としてはそれだけで十分で、以前の木造の家で冬場の室内温度が0度近くまでいっていたところが、現在は1日を通じて20度程度を保っているようです。また、暖房のランニングコストも以前に比べて1/3程度まで下がったとのことです。
床暖房の上に仕上げた床材は、ミャンマー産のチークの無垢材です。人工素材や合板のフローリングと違い、とても質感が良いため、裸足で歩くのが心地よい空間になりました。
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